第94話:導かれる出会い
1日2回更新。
未来は鏡の前で衣装の微調整をしていた。Lunaのコスプレは何度も着慣れたもののはずなのに、今日はどこか落ち着かない。
(いつも通りのはずなのに……何かが違う気がする。)
理由の分からない違和感を抱えたまま、彼女は小道具を手に取り、イベント会場へと向かった。
一方その頃——。
光也と夕真は、偶然同じ電車に乗っていた。
「……お前も、行くのか?」
夕真がスマホを見つめたままボソリと呟く。
「何が?」
「Lunaのコスプレイベント。お前、配信のことずっと気にしてただろ。」
光也は少し驚いた顔をした。彼と夕真がこうして話すのは、まだ馴染みのないことだった。しかし、なぜか自然に会話が続く。
「まあな……最近、気になることが多くてさ。」
「……俺もだ。」
そのまま会話が途切れる。だが、二人の行き先は同じだった。
やがて、イベント会場に到着すると、すでに多くのコスプレイヤーやファンが集まっていた。Lunaのコスプレをした人々が集まるエリアに目を向けると、ひときわ目を引く人物がいた。
「……未来?」
光也の口から思わず声が漏れる。
その名を呼ばれた瞬間、未来はふと振り向いた。
(なんで……? 私、この人たちを……)
光也と夕真、そして未来。
まるで何かに導かれるように、3人の視線が交差した。
最終章スタート。100話で完結。




