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「僕と世界と推しと」  作者: - 晩26 -
86/100

第86話:迷いの色彩(後編)

毎日2回更新

 愛瑠は画面の向こうのEchoを見つめたまま、言葉を探していた。


 「……私は……」


 喉が渇くような感覚。推し変したことに後悔はないはずなのに、なぜ迷いが生まれるのか。


 Echoは静かに微笑んだ。


 「誰かのために生きるのではなく、自分のために選べばいいんだよ。」


 その言葉が、心に響いた。


 愛瑠はこれまでずっと、自分の選択を正当化しようとしていた。Luna界隈が荒れたから離れたのだと、自分に言い聞かせていた。でも、本当にそうだったのだろうか。


 「私は……逃げたんじゃない。」


 ポツリと零れた言葉。


 Echoは何も言わず、ただ穏やかに愛瑠を見つめていた。


 「私は、私の心を守りたかった。」


 その瞬間、愛瑠の中で何かが解けていくのを感じた。


 Echoは静かに頷く。


 「それでいいんだよ。」


 愛瑠は深く息を吸い、ゆっくりと吐き出した。


 Echoの姿が、ふっと画面から消え、いつもの配信画面に戻る。


 しかし、愛瑠の心の中には、これまでとは違う静けさがあった。

Xにも同時投稿中。X版はイメージ画像付き。

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