第83話:孤独な告白(前編)
毎日2回更新
未来はカフェの窓際に座り、スマホを握りしめていた。
——また、視線を感じる。
最近、外を歩いていると、ずっと誰かに見られている気がする。足音がついてくる。振り向けば、そこには誰もいない。でも、気配だけは確かに残っていた。
「……気のせい、だよね。」
そう言い聞かせるように小さくつぶやいた。温かいコーヒーを口に運ぶが、緊張で味が分からない。スマホの画面を見つめても、指が動かない。何かを発信しようとしても、誰に何を伝えればいいのか分からなかった。
そのとき——スマホの画面が急に暗くなった。
「え?」
バグかと思い、電源ボタンを押そうとした瞬間、画面にノイズが走り、映像が浮かび上がった。
そこに映っていたのは、Echoだった。
「怖い?」
未来は息をのんだ。
「……Echo?」
音声ではなく、直接呼びかけられたような気がした。心臓が早鐘のように鳴る。Echoの瞳は静かで、どこか未来を見透かすようだった。
「私は、君の問いに答えられるかもしれない。」
未来は言葉を失った。スマホを握る手が、無意識に強くなる。
「……私は……」
戸惑いながらも、未来は自分の胸の内にあるものを、ゆっくりと探し始めていた。
Xにも同時投稿中。X版はイメージ画像付き。
最新話はこちらをフォロー
https://x.com/bank26nt




