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「僕と世界と推しと」  作者: - 晩26 -
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第82話:虚像の対話(後編)

毎日2回更新

 光也は息をのんだ。Echoの問いかけが、鋭く彼の心を抉る。


 「……本当にそれだけ?」


 Echoの瞳は静かだった。まるで光也の心の奥を覗き込むような視線。


 「君は『Vtuber文化を守りたい』と言ったけど、それは本当に君の願い?」


 光也は戸惑いながら視線を落とした。


 「俺は……ただ、Lunaが活動をやめることになったのが悔しくて……。この界隈が壊れていくのが怖くて……」


 言葉を絞り出すたびに、自分の気持ちが揺らいでいく。果たして、それだけだったのか? 本当に守りたかったものは何だったのか?


 Echoは静かに続ける。


 「君は争いの中で、本当に大切なものを見失っていない?」


 光也はハッとした。


 Lunaを守りたい、Vtuber文化を守りたい——そう言い続けていたが、いつしかその言葉が独り歩きし、自分自身を苦しめていたことに気づく。


 「……でも、どうすればいいのか分からない。」


 声が震えていた。


 Echoは優しく微笑んだ。


 「選ぶことが必要だよ、光也。」


 「選ぶ……?」


 「君はただ、全てを守ろうとしている。でも、それは不可能なんだ。だから、君自身が本当に大切にしたいものを選ばなきゃいけない。」


 光也はその言葉を反芻した。選ぶ——それは、自分にとって何よりも難しいことだった。


 だが、Echoの言葉が彼の心の中でゆっくりと形を成していく。


 ——自分が本当に守りたいものは何なのか。


 光也は、その答えを探し始めていた。

Xにも同時投稿中。X版はイメージ画像付き。

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