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「僕と世界と推しと」  作者: - 晩26 -
80/100

第80話:孤独な夜

毎日2回更新

 未来は震える足で夜道を歩いていた。いつもの帰り道なのに、今夜はひどく長く感じる。背後の気配を気にしながら、呼吸を整えようとするが、胸の奥がざわついていた。


 ——また、つけられている?


 そんな考えが頭をよぎる。振り向けば、そこには誰もいない。それでも恐怖は消えない。足を速め、できるだけ人通りの多い道を選ぶが、それでも不安は消えなかった。家に着くころには手がかじかむほど冷たくなっていた。


 光也は、暗い部屋の中でスマホを見つめていた。SNSには罵倒の言葉が並び、どんな言葉を発しても否定される。何をしても炎上する。彼は何のために発信しているのか、何を守りたかったのかさえ、もう分からなくなっていた。


 スマホを伏せ、深く息を吐く。誰とも話したくない。だが、誰かにすがりたい気持ちもある。そんな矛盾を抱えながら、光也はただ、ひとりで夜を過ごしていた。


 その頃——


 夕真は、暗い路地裏を歩いていた。ポケットの中には、報復のための手がかりが握られている。彼は迷いなく、ターゲットのもとへ向かっていた。


 「これで終わりだ……」


 愛瑠は、一人静かな部屋でEchoの配信を眺めていた。Luna界隈から距離を置き、もう関わらないと決めたはずなのに、心の奥には言いようのない虚無感が残る。


 かつて繋がっていた人々が、それぞれの孤独を抱え、交差しない夜を迎えていた——。

Xにも同時投稿中。X版はイメージ画像付き。

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