第71話:歪んだ熱狂
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Luna界隈の空気は、日に日に荒んでいった。
もともと賑やかだったコミュニティは、いつの間にか敵対的な言葉が飛び交う場所へと変わっていた。推し方の違い、配信への解釈、Luna本人の行動——些細なことがきっかけでファン同士の争いが絶えなくなった。
SNSでは連日、炎上が続く。
「Lunaはもっとこうあるべき」
「〇〇の解釈は間違ってる」
「本当のファンならこのくらい当たり前」
そうした言葉が、至るところでぶつかり合っていた。
光也は、この空気に危機感を抱いていた。
「何でこんなことになってるんだ……?」
もともと、Lunaは人々を楽しませるために活動していたはずだった。ファンも、その活動を応援するために集まっていた。それが、今では互いを傷つけ合う場になってしまっている。
光也は考えた末、SNSで発信することを決めた。
——争うことがLunaの望みじゃない。俺たちは何のためにここにいるんだ? 今こそ、落ち着いて話し合おう——
その言葉を投稿した直後、光也の元には大量のリプライが届いた。
しかし、それは彼が求めた冷静な議論ではなかった。
「偽善者ぶるな」
「お前が何を知ってる?」
「綺麗事ばっかり言ってるけど、何も分かってないんだろ?」
光也は唇を噛んだ。
落ち着いて話し合おうとしただけだった。それなのに、まるで自分が敵であるかのように罵られる。
「俺は……ただ……」
Lunaのことが好きなだけだった。楽しさを共有したかっただけだった。
けれど、今の界隈にはそんな気持ちが通じる余地などないように思えた。正しさを語る者たちが互いに攻撃し合い、自分の意見以外を許さない空気が広がっている。
それでも、何かしなければならない。
光也は震える指先でスマホを握りしめ、再び画面を開いた。何か言葉を綴ろうとするが、脳裏をよぎるのは、先ほどの罵倒の数々。
——言葉はもう、届かないのかもしれない。
それでも、黙って見ていることはできなかった。
このままでは、Luna界隈そのものが崩壊してしまうかもしれない。
だが、光也の言葉は、歪んだ熱狂の中にかき消されていく。
SNSの画面に次々と並ぶ攻撃的な言葉。
光也は画面を閉じ、静かに息を吐いた。
——この状況、どうすればいいんだ?
Xにも同時投稿中。X版はイメージ画像付き。
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