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「僕と世界と推しと」  作者: - 晩26 -
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第72話:分断のはじまり

毎日2回更新

 Lunaの配信コメント欄は、日に日に荒れていった。


 「もう活動やめたら?」

 「お前のせいで界隈が壊れたんだぞ」

 「ファンのこと考えてるなら、一生黙ってろ」


 そんな誹謗中傷が、Lunaの配信中に絶えず書き込まれていた。ファン同士の対立はさらに激化し、推し方や意見の違いから起こる争いはSNSだけにとどまらず、リアルの場にも波及し始めていた。


 ——そして、ある日ついに事件が起きた。


 あるLuna推し同士の口論が、路上での暴力沙汰へと発展したのだ。被害者は重傷を負い、加害者はその場で逮捕。ニュースでは「Vtuberファンの暴走」として大々的に取り上げられ、ネット上でも炎上が加速した。


 「やっぱりVtuberオタクは危険だ」

 「こんな文化、なくなればいいのに」

 「ファン同士で殴り合いって、もう終わってるだろ」


 メディアはVtuber文化自体を問題視するようになり、一部のコメンテーターは「Vtuberがファンを扇動している」とまで言い始めた。世間の風当たりは一気に強くなり、界隈全体が揺らぎ始める。


 光也は、ただ黙っていることはできなかった。


 「このままじゃ、Vtuber文化が崩壊する……」


 彼はSNSで発信を試みた。


 ——事件を起こしたのは一部の過激な人たちだ。Luna推しの多くは、ただ彼女を応援しているだけなのに——


 しかし、その言葉は、逆に炎上の火種となった。


 「結局、加害者を擁護するのか?」

 「今さら弁明しても遅い」

 「お前もLunaの信者だから、まともな判断ができないんだろ」


 光也の意図とは裏腹に、彼の言葉は曲解され、さらに攻撃の的となっていく。


 もはや何を言っても燃える状況。


 光也はスマホの画面を睨みながら、静かに息を吐いた。


 「もう……どうすればいいんだ……」

Xにも同時投稿中。X版はイメージ画像付き。

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