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「僕と世界と推しと」  作者: - 晩26 -
58/100

第58話「匿名の対話」

毎日2回更新

「誰かにどう思われるかより、自分が楽しめるかどうかが大事だよ」


画面に表示されたその言葉を、未来は何度も読み返した。


SNSで知り合った「Y」とのやり取りは、ここ数日で未来の日常になりつつあった。彼はLuna推しに関する深い考察を投稿しながらも、どこか推し活との距離を感じさせる不思議な存在だった。


未来は、スマホのキーボードをゆっくりと打つ。


「でも、私はLunaに似ているって言われることで、推し活の意味が変わっちゃう気がして……」


未来のコスプレが注目されるほど、「本物のLunaに近い」と言われることが増えていた。それは嬉しい反面、彼女自身の気持ちに影を落としていた。


「Y:未来さんは、Lunaになりたいの?」


「そんなことない。でも、Lunaに似ていることで期待されるのは、少し怖いかも」


「だったら、期待されるためじゃなく、自分が楽しむためにやればいいんじゃない?」


未来は息をのんだ。確かに、コスプレを始めたのはLunaが好きだから。でも今は、誰かの評価に囚われてしまっている——そう思うと、Yの言葉が深く刺さった。


「ありがとう。ちょっと気持ちが軽くなったかも」


Yからの返信はすぐに届いた。


「よかった。でも、推し活は人それぞれ。自分の気持ちを見失わないことが大切」


未来はスマホを握りしめながら、ふと考える。Yの言葉はいつも的確で優しい。でも、どこか距離を感じるのはなぜだろう。


「……Yさんは、今もLuna推し?」


何気なく送った質問。しかし、Yの返信はなかなか返ってこなかった。未来は少しだけ不安になりながら、画面を見つめ続けていた。

Xにも同時投稿中。X版はイメージ画像付き。

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https://x.com/bank26nt

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