第57話「名もなきフォロワー」
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SNSの通知欄に、小さな変化があった。
「新しいフォロワーがあなたをフォローしました」
未来はスマホを手に取り、フォロワー一覧を確認した。新しく現れたのは、「Y」と名乗るアカウント。アイコンはシンプルなモノクロのシルエットで、プロフィールには短い一文が書かれていた。
「推し活は、自分を見失わないことが大事。」
その言葉に、未来は思わず画面を見つめた。「推し活は楽しいもの」としか考えたことがなかった彼女にとって、この言葉は少し引っかかった。
「……どういう意味なんだろう?」
興味が湧いた未来は、「Y」の投稿を遡る。彼のタイムラインには、Lunaに関する考察がいくつか投稿されていた。Lunaの配信スタイルや、彼女がリスナーに与える影響について、理論的かつ冷静に綴られている。その一方で、ファンダムの在り方についても言及しており、一部の投稿には「推しと自分を切り離すことが大切」といった内容も含まれていた。
「この人……ただのファンとは少し違う?」
未来は、無意識のうちにDMの画面を開いていた。躊躇いながらも、メッセージを入力する。
「こんばんは。フォローありがとうございます。Luna推しなんですね?」
送信ボタンを押してから、少し緊張した。普段なら、フォロワーが増えてもいちいちDMを送ったりはしない。でも、「Y」の投稿に興味を持った未来は、もっと話を聞いてみたいと思った。
しばらくして、通知音が鳴る。
「Y:こんばんは。Lunaは特別な存在だから。」
短い返信だったが、未来はそこに確かな熱意を感じた。続けて、Yからもう一通のメッセージが届く。
「でも、推し活は自分を見失わないことが大事。コスプレイヤーなら、なおさらね。」
未来は目を見開いた。どうして彼が、自分がコスプレイヤーだと知っているのか——。
「もしかして、前から私のことを見てた……?」
不思議な感覚が胸に広がる。未来はすぐに「どういう意味?」と返信しようとしたが、指が止まる。どんな言葉を返せばいいのか、迷った。
この「Y」は一体何者なのか——。
未来はスマホの画面を見つめながら、次の言葉を考えていた。
Xにも同時投稿中。X版はイメージ画像付き。
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