第51話「憧れを纏って」
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綾月未来は、スマートフォンの画面を見つめながら、少し緊張していた。今日はLuna推しのオンライン交流会。普段はコメント欄でやり取りすることが多いが、今回は音声チャットも交えた会だった。
「初めまして!Lunaの配信、毎回楽しみにしてます!」
画面越しに聞こえる明るい声に、未来は小さく微笑んだ。Luna推しが集まる場は、やはり居心地がいい。みんなそれぞれの視点でLunaの魅力を語り合い、配信の名シーンを思い出しては盛り上がる。
「未来さんって、コスプレしてるんですよね?」
ふと、ある参加者が話題を振った。未来のSNSを見てくれていたらしい。
「はい、Lunaが好きで……彼女のコスプレをよくしています」
「すごい!Lunaにめちゃくちゃ似てるって評判ですよね」
「いや、そんな……」
未来は少し恥ずかしくなって俯く。Lunaに似ていると言われることは嬉しいが、それが自分自身の評価とは限らない。
そんな中、一人の参加者が未来の言葉に反応した。
「俺も未来さんのコスプレ写真見たことある。すごく再現度高くて、本当にLunaがそこにいるみたいだった」
そう言ったのは、「光也」というアカウント名の人物だった。未来は彼の名前を知っていた。Luna推しのコミュニティではかなりの有名人で、Luna愛の強さと考察の深さで知られている。
「ありがとう……そう言ってもらえると嬉しいです」
「俺、Lunaの『Starry Starry』の衣装が一番好きなんだけど、未来さんもあの衣装のコスプレしてたよね?」
「うん、あの衣装のデザイン、すごく可愛くて……!」
そこから、二人の会話は一気に盛り上がった。Lunaの衣装や配信の話、ファンとしての思い出など、話題は尽きない。未来は、自分と同じ熱量でLunaを語れる相手がいることに心を弾ませた。
交流会が終わった後も、未来は光也とのやり取りを続けていた。SNSのDMでコスプレの話や、次のイベントのことを話しながら、未来はふと気づく。
(私、こんなにLunaのことを話せる相手、今までいなかったかも……)
画面の向こうの光也も、同じ気持ちだったのかもしれない。未来の投稿に「いいね」がつき、短いメッセージが届く。
「また、Lunaの話しよう!」
その言葉が、未来の心に温かく響いた。
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