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「僕と世界と推しと」  作者: - 晩26 -
50/100

第50話 - Echoとの出会い

毎日2回更新

愛瑠はスマートフォンの画面を見つめながら、ため息をついた。


Lunaの配信を開こうとして、もう何度目かの迷いに襲われる。

結局、アイコンをタップすることなく、指を滑らせて別の動画を探し始めた。


――Lunaを推していた頃は、こんなこと考えもしなかったのに。


心のどこかで、まだ未練が残っている。だが、それを素直に認めるのが怖かった。


なんとなく、おすすめに流れてきた配信のサムネイルに目が留まる。

青白い光の中で微笑む少女。煌めく星のような装飾。どこか静かで神秘的な雰囲気が漂っていた。


「Echo……?」


初めて見る名前だった。興味を惹かれるままに、再生ボタンを押す。


「こんばんは。静かに夜を楽しみましょう」


柔らかく澄んだ声が、イヤホン越しに響く。

Lunaの明るく元気なトーンとは対照的な、落ち着いた声。


愛瑠は思わず、スマホを握りしめた。


配信の背景は、夜空を思わせる深い青。きらきらと輝く星々が、まるで視聴者を包み込むように揺らめいている。


「今日は、少しだけ夢の話をしましょう」


Echoの静かな語りに引き込まれるうち、愛瑠の胸の奥で何かが揺らぎ始めていた。


Lunaを推していた頃の熱狂とは違う。だが、確かに何かを感じている。


――私、本当にLunaを手放していいの?


迷いながらも、愛瑠は配信のコメント欄に視線を落とす。

そこには、彼女と同じように静かにEchoを楽しむファンたちの言葉が並んでいた。


「この空間、落ち着くなあ」

「Echoの声、本当に癒される」

「なんだか、泣きそう……」


愛瑠は、そっとコメント欄に文字を打ち込む。


「はじめまして。すごく素敵な配信ですね」


送信ボタンを押した瞬間、胸の奥に小さな灯りがともるような気がした。


Lunaへの想いは、まだ整理がつかない。


でも――もしかしたら、新しい道がここにあるのかもしれない。


愛瑠は、静かに画面を見つめ続けた。

Xにも同時投稿中。X版はイメージ画像付き。

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