第36話 - オンラインの孤独
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黒崎夕真は、自室の暗闇の中、スマートフォンの明かりだけを頼りに画面を見つめていた。SNSの通知は完全に途絶え、タイムラインには彼の姿はない。以前まで目にしていた他のLuna推しの投稿も、ブロックやミュートの壁によって遮断されてしまった。
それでも夕真は、自分の行動が正しかったと信じて疑わなかった。
「本当にLunaを愛しているのは俺だけだ。他の奴らには理解できないんだ」
彼の心の中で、その言葉は呪文のように繰り返される。画面をスクロールしても、新しい情報は得られない。それでも、Lunaの配信アーカイブだけは彼にとっての救いだった。再生ボタンを押すと、明るい彼女の笑顔が画面に映り、彼の胸の奥にぽっかりと空いた穴を一時的に埋めてくれる。
しかし、その時間も終わると、再び現実の冷たさが押し寄せてくる。
「俺を見てくれよ……Luna……」
そう呟きながら、彼は自分が送ったコメントが一度も読まれることのない現実を噛みしめた。配信画面の下部には、他のファンたちのコメントが流れ続けている。そこに自分の名前はもう存在しない。それどころか、かつて交流していた推し活仲間からは「危険な存在」として避けられるようになっていた。
孤独は彼を締め付けるように増していく。それでも夕真はスマートフォンを手放さなかった。彼の世界には、Lunaしかいないのだ。他の人間がいなくても、彼女がいる限り、それで十分だと自分に言い聞かせた。
その夜も、彼はコメントを送る。Lunaの笑顔が画面に映るたび、彼の指は止まらなかった。
「守るよ……俺が、君を……」
だがその言葉は、誰にも届かないまま、夜の闇に溶け込んでいった。
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