第31話 - 暗闇からの視線
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黒崎夕真にとって、Lunaは絶対的な存在だった。彼女の笑顔は、世界のすべてを覆う光であり、自分が生きる理由を示す羅針盤でもあった。だが、その感情は純粋な「推し」という範疇を超えていた。
「Lunaは……俺だけのものだ」
彼は大学の講義が終わると、決まって図書館の片隅に座り込み、スマートフォンを取り出した。Lunaの最新配信を繰り返し見ることで、彼はその瞬間だけ「彼女と繋がっている」感覚を得ていた。
だが、その思いは次第に歪みを見せ始めた。SNSのタイムラインを開くたびに、Lunaを語る他の推したちの言葉が彼の目に入る。
「彼女に触れるな……」
内心の呟きが、次第に怒りと嫉妬の感情に変わる。特に、自分と同じ大学に通う山崎光也の投稿は、彼にとって許しがたいものだった。光也のコメントにはLunaへの熱量が込められているが、夕真にとってそれは軽々しい「偽りの愛」に見えた。
「お前ごときが、Lunaを語るな」
夜、自室に戻った夕真はパソコンの画面に映るLunaの配信を見つめながら、コメント欄をスクロールする。その中に、光也の名前が目に入ると、怒りで画面を拳で叩きそうになるのを抑えた。
「いつか見せてやる……俺だけが本当に彼女を理解しているということを」
夕真は心の中でそう誓いながら、Lunaの笑顔にすがりつくように見入った。彼の推し活はすでに「愛」というより、彼女を独占しようとする執着へと変貌していた。
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