表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/8

:4

次の週末、店に、幼馴染のキイが来た。


「ほんとにやってんだね」


「まあね」


「客、来た?」


「風は、よく来るよ」


「あと、砂も。みたいね」


「大盛況だろ」


「冗談言ってる場合か」


キイは、差し入れのジュースの入った袋をカウンターに置くと、掃除を手伝ってくれた。

テキパキと手慣れてて、ほんと頼りになる。


海からの風が、砂と肩を組み、この店に訪れることを、僕はこの夏、はじめて知った。

マスターがいたときには、そんなこと、すこしも感じられなかった。

この店を守ることの苦労を、やっていくことのたいへんさを、知ることにもなった。


洋風な音を出す風鈴の音色に、砂が床を転がる音が愉快にまじる。


ジャンポール


かすかに聞こえていた声が、時の流れとともに大きくなる。


ジャンポール


砂浜をゆくその声に、犬の声が重なる。

金色の毛が、夏の光のように眩しい。


おおきな犬が、砂浜をかける。

その足跡が、ささやかな混沌を生み出す。


つかの間の混乱は、でも、波が、きれいに鎮めてくれる。


ジャンポール


犬が、青い服の女性に飛びついて、女性が、犬を抱きとめて。


キイと僕とで、その光景を眺めた。

暑いなかにあって、でも、その姿は、異質なまでに涼やかだ。


「すてきだね」


窓の外を見つめながら言うキイに、僕は、笑みだけでそれに応じた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ