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FaTuS;契約譚  作者: 元気ハツラツマン
二章 仲間探しの旅
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第六十一話 両想い

✣ ✣ ✣


デウス達はメルバリング國に着いた。

メルバリング國に着いた時には日もかなり暮れていた。

「意外と時間経ったな。」

アルカナムが周囲を見渡す。

紅に染まる國がとても印象強い。

「一分遅刻だぞデウス。」

向かいから近づいてくるのはビングルだった。

「今何時だ?」

「午後五時一分。」

「一分か。悪いな。」

「本当に思ってんのか?」

「いや。」

反省の色もないデウスにビングルが少し怒る。

一通り怒り終わり、ビングルはデウスに問いかけた。

「で、デウス。そっちの男は誰だ?それにサクラどうしたんだ?」

「紹介するよ。俺達の新たな仲間のアルカナム・ノヴァだ。」

「宜しく。アルカナム・ノヴァだ。」

「アルカナム・ノヴァ?どっかで聞いた事あるな。」

「とりあえずサクラは疲れて寝てるだけだ。」

ビングルにはアルカナム・ノヴァという名前に身に覚えがあるようだ。

「二つ名とかあるのか?」

「人間界では祖龍だと思うが、違うか?」

「ん?祖龍?…」

ビングルが手を顎に当てて悩んでいた。

すると、こちらに近づいてくるバグラが答えた。

「祖龍アルカナム・ノヴァ。古書では世界の創造者とも言われています。」

「よく知ってるね。」

「古書は昔から読み漁っていたので。」

アルカナムとバグラは握手を交わした。

「初めましてアルカナムさん。私の名前はバグラ・ヴィルランです。」

「初めましてバグラさん。気軽にアルカナムやノヴァと呼んでくれ。」

「ではノヴァさんと呼びますね。」

「さんは付けなくて良いんだが、まぁいい。これから宜しくバグラ。」

バグラは人徳があり、大抵の人と速攻仲良くなる。ある意味特徴かもしれない。

「…ん…んん…」

サクラがゆっくりと目を開いた。

「おはよう。」

「あ、はい。おはようございます。」

サクラはデウスとの距離に違和感を持った。

「なんか、近くないですか?」

「そりゃあ抱えてるからな。」

「え?抱えてる?」

サクラはゆっくり首を回し、下を見た。

体が宙に浮いていた。疑問をさらに強く抱いたサクラは自分の体を見た。

寝たような体勢になっており、背中と膝裏に手がある。

「あの、離して貰えませんか。」

「何故だ?」

「は、恥ずかしいです。」

サクラは手で赤らめた顔を隠した。

「そうか。」

デウスはそう言ってサクラを下ろした。

サクラは顔を隠した状態で、尚且なおかつ下を向いた。

「鈍感ね。」

前方から声が飛んできた。

デウスはその方向を見ると、デアが歩いてきた。

「鈍感?なんの事だ?」

「もういいわ。とりあえずお帰り。」

「ん?おう。ただいま。」

デウスは鈍感の意味がよく分からなかった。

それに呆れ、デアはため息をつく。

「早く部屋に行け。部屋分けはもうしてある。部屋も取ってる。」

ヘルトがそう言ってデウスに近づく。

「おお。仕事が早いな。だが一人追加しないといけないぞ?」

「ところがところが。こんなこともあろうかと十九人にしてある。」

「お前十九人じゃ無かったらどうしてた?」

「一度解除してもう一度部屋をーー」

「時間かかるわ!」

役にはたったものの、仲間が増えてなければただのありがた迷惑だ。

「デウス、デア、サクラ、それとそちらの御仁は二階に上がってすぐの場所だ。」

「了解。」

デウスが答え、奥へと進む。

「さ、行きましょ。」

デアがサクラとアルカナムに言い放つ。

まだ手で顔を覆っているサクラの背中をアルカナムが軽く叩く。

「マスター?いつまでそうしてるつもりだ?」

サクラはゆっくり手を離し、歩き出した。

そのあとヘルト達も部屋に向かった。

デウスが部屋に入ると、部屋には誰もいなかった。

『あれ?フローレとかも居ないな。』

「ほら、入った入った。」

「うおっ。」

デアに押されてデウスは部屋に入る。

「本当はデウスとサクラの部屋にしようと思ったんだけど、部屋数的に無理だったわ。」

「いや待て。なんで二人だけ?」

「それは言えないわよ。」

「はあ?」

デウスは疲れ気味に疑問をぶつける。

サクラとアルカナムも部屋に入ってきた。

「とりあえず私は寝るわ。」

デアはそう言ってベッドに倒れ込んだ。

「私も寝ますね。」

そう言ってサクラはデアの隣に倒れ込んだ。

デウスは地面に胡座を掻き、腕を組んだ。

「あら、ベッドに来ないの?」

「流石にな。」

デウスはそう言って目を瞑り、下を向いた。

「寝ちゃいましたね。」

「そうね。彼には性欲という物がないのよ。」

「あったら私性奴隷にされてますよ。」

「そう?でもどこかしらには欲があるはずよ。」

そう言ってサクラを見たデア。

「な、なんですか?」

「実験よ。」

目を光らせ、サクラに近づく。

「や、辞めてください。怖いです。」

「問答無用!」

「きゃああああ!」

デアはサクラに襲いかかった。

アルカナムはため息をついてデウスの隣に腰掛けた。

アルカナムもデウスと同じように寝た。

一方デアとサクラの方は盛り上がっていた。

「や、やめ、こ、こしょばい、です。」

「ていやぁ!」

「ちょ、ちょっと、待って、くだ、さい、」

デアがサクラをこしょばし、サクラはそれを必死に耐えていた。

「なら、これはどう!」

「きゃっ!」

デアはサクラの胸を強く掴んだ。

「わ。柔らかい。まるでイリビードさんみたいな胸ね。」

「ちょっと、やめてください。」

「そう言われるともっとやりたくなるのよねぇ。」

「え、それって、あ!」

デアはさらに乱暴にサクラの胸を触る。

「デウスもよくこれを見て平常心保てるわね。」

「あ、やめ、っ!」

「次はーー」

流石に目を覚ましたデウスとアルカナムが両方同時に手を動かした。

アルカナムは左腕を、デウスは右腕を動かし、同時に手を握りこんだ。

「な、何!?」

「きゃ!」

デアとサクラは離され、糸でしばされたようになった。

「「寝るなら寝る。起きるなら起きるでハッキリしろ!暴れるなら他所でやれ!」」

デウスとアルカナムの気力に負けたデアとサクラ。

「「は、はい。」」

デアは懲り、サクラは終わったと安堵の表情を浮かべていた。

デウスとアルカナムは同時に手を開き、腕を組み直した。

「ふぅ。やっと終わりました。」

「あーあ。怒られちゃった。」

「元はと言えばデアさんのせいですからね。」

「なんで私なのよ。」

「貴女がちょっかいをかけるからーー」

言葉はものを叩く音に止められた。

デウスとアルカナムが地面を叩いていた。

「「五月蝿うるさい!」」

デアとサクラは体を震わせ、小さな声で謝罪した。

「「ごめんなさい。」」

デウスとアルカナムは同時にため息をつき、眠りについた。

「ね、寝ましょう。」

「そ、そうね。」

なんとも言えない空気感でサクラとデアは眠りについた。

その後、デウスとアルカナムが目を開いた。

「よく耐えたな。」

アルカナムにデウスは頷いた。

「あぁ。あいつら、俺を男と知ってやってるからな。俺じゃなかったら襲われてるからな。」

「まぁ、デウスは真面目すぎるからデアが飽きたんだろう。」

「そうなのか?」

「そういうことにしていていいんだよ。」

「そうか。」

「そうだ。寝るか。」

「そうだな。」

デウスとアルカナムはまた目を瞑った。

その一方でデアとサクラは目を覚ましていた。

サクラは頬を赤らめ、デアは少しにやけていた。

結局的デアとサクラも眠りについた。


✣ ✣ ✣


朝が唐突とやってきた。

窓に背を向けていたデウスとアルカナムは目を覚まさなかった。

デアとサクラは日の当たりがいい場所だった為、直ぐに目を覚ました。

「おはよう、サクラちゃん。」

「おはようございます、デアさん。」

サクラとデアは同時に体を伸ばした。

「男陣はまだ寝てるみたいね。」

「そうですね。起こしますか?」

「そうね。起こしましょうか。」

そう言ってデアはベッドから出てデウスに近づいた。

「起きて。朝だよ。」

しかし、デアの言葉に返答は帰ってこない。

「仕方ないわね。」

そう言ってデアはサクラを見た。

「そう言えば、サクラちゃんってデウスのこと好きなの?」

「え、な、なんですか急に。」

「気になっただけよ。で?実際どうなの?」

「えっと、私はアルカナム様が好きです。」

「あら、デウスじゃないの?」

「はい。何だかアルカナム様の方が身近に感じるんです。」

「そう。なら、相手に気付かれずに好きってことを伝える方法教えようか?」

「そんなものあるんですか?」

「見てたらわかるわ。」

そう言ってデアはデウスの顔に顔を近づけ、唇と唇を重ねた。

それを見てサクラは口を手で隠し、頬を赤らめた。

「こうするのよ。」

笑みを浮かべるデアにサクラは強く顔を横に振った。

「む、無理ですよ。そんなの。」

「出来るわよ。」

「で、でも。」

「大丈夫よ。私が保証するわ。」

「……」

サクラは押しに弱い。

サクラは静かに動き、アルカナムの前に座り込んだ。

デアの方向を見ると、サクラに向かって頷いていた。

サクラはアルカナムを見た。

『失礼します!』

サクラはアルカナムの唇に自分の唇を付けた。

そして、ゆっくりと離し、顔を真っ赤に染めあげた。

「よく出来たわ。」

デアがそう言った途端、デアは腕を掴まれた。

「要らんことすんな。」

「起きてたの?」

「お前のせいでな。」

サクラはデアの方向をずっと見ていた。

「君も大胆なことするね。」

アルカナムがサクラを見てそう言った。

サクラはアルカナムの方向を即座に見た。

「す、すみません!私、押しに弱ーー」

サクラはアルカナムに言葉を中断された。

「んん!?」

アルカナムはサクラの唇に唇を重ねた。

「わぁお。」

「アルカナムも大胆だな。」

デウスとデアはそれを見ていた。

アルカナムとサクラは離れ、アルカナムはサクラの頭を撫でる。

「君の気持ちは分かった。なら君の気持ちに答えるのが契約龍の仕事だ。」

「えっ、と、それ、は、どういう、こと、ですか?」

動揺がすごく言葉に統一感がない。

「君の答えを聞かせてもらおう。君の夫になろう。君はどうなんだい?」

「少し、急なことで、何が何だか分かりません。要するに、なんですか?」

「君は好きなんだろう?」

サクラは頷く。

「君の事は今マスターと思っているけど、彼女、妻として見ても構わないよ。」

サクラはイマイチよく分かっていなかった。

「初めて一人称を使うよ。単刀直入に言おう。僕の妻になってよ。」

その言葉にサクラは顔を赤らめ、爆発した。

「まさかの告白だな。」

「あの時は私が先に告白したよね。」

「そうだったか?ま、両想いってことだろ。」

サクラは咳払いをした。

「私、未熟者ですし、身長も大きくないですし、それにーー」

「別に気にしないよ。君は僕のことが好きなんだろう?僕はその気持ちに答えるだけさ。」

「…本当に、良いんですか?」

「勿論さ。君は僕にとっても魅力的だし、綺麗だ。」

「…///」

サクラは黙ってアルカナムに抱きついた。

「これから僕の妻として宜しくね、マスター。いや、サクラ。」

「……はい。アルカナム、さん。」

完全にデウスとデアを放ったらかしにしていたが、デウスとデアは遠くで頷いていた。

「恋愛っていいね。」

「今お前してんだろ。」

「そっか。大好きだよデウス。」

「あぁ。知ってるよ。俺もだ。」

恋愛聖書のような感じになっている。

とりあえず、晴れてアルカナムとサクラは夫婦になった。

急展開過ぎることにこの後ビングル達に何度も疑問を投げかけられた。

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