表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
FaTuS;契約譚  作者: 元気ハツラツマン
二章 仲間探しの旅
59/91

第四十九話 修行(デウス編)

✣ ✣ ✣


デウスは語った。今この世に怒っていること全てを。

魔神族ディアヴォルが街を破壊し尽くし始めている。決して他人事じゃない。この街も例外じゃない。最高神が死んでいる今、四大天使や他の天神族ディーイルンガチェレスタは全員殺されることがほぼ確定だ。俺はその時期に偶然旅人をしていたから何個かの街を守ることはできた。でも、俺は仲間とバラバラにされた。今までで四人ほど魔神族ディアヴォルを倒してる。一人目がゾルドリオだ。二人目がデスペランドーマ。三人目がスカサハ。最後がアストルフォだ。多分、ゾルドリオ以外の誰かがこの街に来てたなら間違いなく壊されていた。俺は、俺達は街を守るために魔神族ディアヴォルを倒してる。今こうしてる時間は俺にもお前にもない。」

デウスの話が一通り終わると、ウリエルはデウスに問いを投げかけた。

「でも、どうして魔神王を倒そうと?」

「これは嘗ての今はいない仲間と約束した仇だからだ。」

デウスは後ろに振り返る。

「俺は剣を取りに戻る。」

デウスはそう言って剣を取りに戻った。

剣は確り四本あった。

『一本多いな。そうだ。』

デウスは四本持ち、ウリエルの元に戻った。

「ほれ。」

デウスは剣を一本ウリエルに投げた。

ウリエルはそれを両手で取った。

「これは、カラドボルグ。」

「やるよ。一本多いんだ。魔神族ディアヴォルである俺より天神族ディーイルンガチェレスタであるお前が主人の方がその剣も喜ぶだろ。」

デウスはカラドボルグが元あった場所にマルミアドワーズを携えた。

「俺はここで少し修行をして行く。ここに魔神族ディアヴォルが来たら俺を頼れ。」

デウスは背中から闇を生み出し、翼を形成した。

「凄い。」

闇の見た目は完全に翼と化していた。

デウスは空に飛び立ち、その場を離れた。

少し進んで森の奥に入った。

大地に降り立つと、そこにはモンスターが何体かいた。

小さい飛硬種だ。

デウスはポーチの中に入っていた紙を小さく十五枚に分け、一つ一つにポーチの中にあるペンで文字を書いた。

【一ヶ月後、アラビア国】

そう書いて、五匹の飛硬種に三枚ずつ持たせ、持って行くように頼んだ。

『今の俺達じゃ残りの四大魔神も倒すことは出来ないだろう。たった二日で皆あそこまで成長出来たんだ。一ヶ月もあればかなりの成長が見込めるはずだ。』

五匹の飛硬種はそれぞれの方向へと飛んで行った。

飛硬種は鳴く以外にもコミュニケーション方法がある。それが激超音波だ。

魔法に超音波というものがある。それでもせいぜい五十キロ程度。

飛硬種の激超音波は最長二万キロまでにも達する。

遠くの飛硬種とも激超音波で会話することが出来る。

デウスはその事を知っていたため飛硬種を選んだ。

「これで良し。よし、やるか。」

デウスは大きな岩を探し、そこに武器とポーチを置いた。

「まずはエクスカリバーだな。」

デウスはエクスカリバーを手に取った。

「エクスカリバーは聖剣。霊宝れいほう終寳しゅうほうの二つか。骨が折れそうだ。」

霊宝と終寳。聖剣の力を最大限に発揮することが出来る力。

霊宝は聖剣の力を膨大させ、神力しんりょくを発揮させる力。

終寳はやみを必ず断ち切る力。

習得するには武器との意思疎通をしなければならない。

しかし、聖剣は生き物との意思疎通を嫌うもの。

デスペランドーマはエクスカリバーとの意思疎通をし、霊宝まで発揮させていた。

デウスはそれを上回らなければならない。

『何者だ。我の心を打つのは。』

脳裏に声が響いた。

『俺の名前はデウス・ペンドラゴン。あのデスペランドーマの弟だ。』

『ほう?あの未熟者のか。で?我に何の用だ。』

『これから魔神族ディアヴォルと戦う上でお前の霊宝と終寳が必要だ。』

『我の力を解放したいと。お主そう言いたいのか?』

『そうだ。』

『はははは!笑わせてくれる。我はお主と違って五千万年と生きておる。お主みたいな軟弱者に我を使いこなせるのか?』

『使いこなしてみせるさ。』

『ならこの身に見せてくれ。お主の力を。』

その途端、エクスカリバーが輝き始めた。

『この力を使えるならば、お主を認め、終寳を解放してやろう。さぁ!叫べ!』

デウスは虎のように獲物を捕らえるようにしゃがみ、構えた。

「俺に勝利を!『世界的白星グラディウス』!」

突き刺すように剣を前に突きだし、木に強く当てた。

木に次々と穴を空け、奥地の大樹を貫いた。

その後、時間差で木々は次々となぎ倒れた。

『ほう。突きだけでここまでの破壊力があるとは。よかろう。お主を認めよう。』

エクスカリバーはまた光だし、形が変化していった。

リーチが伸び、煌びやかに輝く剣身。

鍔の色が変わり、灰色から金へと変色して行った。

柄も形を変えて行った。

『これが我の本来の姿だ。』

美しくも、重く、聖気せいきを放っている。

「収まりがいいな。」

エクスカリバーの形が何故かいびつに感じていたデウスだったが、真の姿を握ればわかる。良き武器ということを。

『お主、マルミアドワーズを持っておるだろ。マルミアドワーズを解放すれば我とタッグで技が出せる。解放しておいた方が良いぞ。』

エクスカリバーはそう言って会話を辞めた。

デウスは頷き、エクスカリバーを鞘に収める。

そして、岩の上に置き、マルミアドワーズを取った。

神気霊魂剣の解放には時間がかかる。

神気霊魂剣には五つの解放がある。

一つ目が呪骸じゅがい。神気霊魂剣は主人を嫌うと自らに呪いを刻み、何者にも持てぬ剣へと変わってしまう。

それをほねと見立て、破壊することを呪骸という。

二つ目が楼巌ろうがん。マルミアドワーズの技を一部解放することが出来る。人間は解放出来たとしてもここまでしか解放できない。残りの三つは体が耐えきれなくなる。

三つ目は心真しんぎ。心の奥底には必ず疑う心や恨む心などが潜む。それを一度取り除く。言わば邪念を消し、正念のみを抱くということ。人間は邪念の生き物。これを取り除くことがとても難しい。

四つ目は霊蒋れいしょう。どの部位でもいい。神気霊魂剣で切り込みを入れる。そこに契約の証を入れる。

これをすることによって神気霊魂剣と体剣一体たいけんいったいとなる。

体が弱ければ神気霊魂剣に命を蝕まれ、仕舞いには死に至る。

最後の五つ目が解禁かいきん。全ての条件を満たし、四つ目までをクリアし、神気霊魂剣に認められれば成功だ。

人間では四つ目で死に至るものが多い。例えクリアしたとしても神気霊魂剣は人間の体を嫌う。五つ目のクリアは実質人間では不可能である。

デウスはそのことを知っていた。試したことは一度もないが。

「……」

デウスは目を瞑り、マルミアドワーズを地面に突き立てた。

デウスの周りを円で描くように風が舞う。

『妾に話しかけた者はこれで二人目。そなたは何者だ?』

『俺の名前はデウスだ。』

『デウス。そなたが妾の君主か?』

『まぁ、そんなところだと思ってくれて構わない。』

『妾の五星解放ごせいかいほうを狙っておるのだろう?』

『よく分かったな。』

かつての君主も五星解放目当てで妾に話しかけてきてな。仕方なく二星までは解放した。汝は妾の君主となる覚悟はあるのだな?』

『無かったらこうして話していない。』

『良き心掛けよのう。一星の解放はもう出来ておる。は二星の解放だ。』

『一星の解放が出来ている?』

『なんだ?知らぬのか?君主としてこの先が不安だのう。』

マルミアドワーズは呆れたようにそう言う。

『とりあえず、二星の解放はを習得すること。分かっておるな?』

『あぁ。早速だが二星は簡単に突破させてもらう。』

デウスは目を開き、マルミアドワーズを持ち上げた。

「剣技の理を今身こんみに現せ。」

『君主よ。そのはまだそなたには早すぎる。』

『大丈夫だ。俺を信じろ。』

デウスは構え方を変えた。

右手に剣を持ち、重心を下に落とし、木を見つめた。

「『神気霊魂マルミアドワーズ』!」

デウスはマルミアドワーズを振り、木を切り倒した。

その衝撃が伝わり、その先にある木々も綺麗に切れ、最後に大樹を切り倒した。

『うむ。まさかこのりきをもう使えるとは。そなたは妾の君主に向いておるのかも知れぬ。』

マルミアドワーズはそう言って感心する。

『これで二星は解放した。次は三星だな。』

『さて、そなたに三星が攻略出来るか。見物よのう。』

デウスは胡座をかき、両手の上にマルミアドワーズを置き、前に出した。

人には邪念が一番取り除ける姿がある。

楽な姿勢をし、手を前に伸ばす。邪念を取り除くには一番手っ取り早いやり方だ。

デウスは自らの世界に入り込んだ。

周りの音が途絶え、自分の鼓動の音、血の流れる音、体の微量な震えを感じる。

暗い世界に一人胡座をかいているデウス。

デウスはもう一つあることに気づいた。

何者にも気迫というものが存在する。別名でオーラ。

デウスはそれを感じ取った。

黒いオーラは邪気を表す。白いオーラは聖気を表す。デウスのオーラは黒と白が混ざり合ったようなオーラの色をしていた。

白は人間としてのオーラ。黒は魔神族ディアヴォルとしてのオーラ。

デウスはそれさえも無視し、全てを遮断した。

息すらも感じない。

デウスは眠ったように記憶を閉ざす。

途端、気を取り戻し、目を開いた。

呼吸が荒い。

『そなた、今一瞬死にかけておったぞ。』

『あ、あぁ。』

邪念どころか正念さえも消えかけていた。

『そなたには凄い力が眠っておる。三星をいとも簡単に攻略するとは。』

マルミアドワーズはため息をつくように言葉を吐き捨てた。

『次は四星だ。何処に傷を付ける?』

デウスは左掌を地面に付けた。

そして、マルミアドワーズを逆手に持ち替え、勢い良く突き刺した。

「いてっ!」

身を抉る剣を抜き、左手を地面から離した。

傷は見る見るうちに再生し、手の甲にはオーラを象徴した紋章が刻まれた。

『これで妾と君主は一心同体。この紋章は契紋けいもんと言ってな。剣を自らの体と縫い付けるようなものだ。勿論、剣が砕ければ君主も死ぬ。逆に君主が死ねば剣は砕ける。絶対的な契約なのだ。』

契紋には種類があるが、デウスの手にした武器の契紋はオーラを象徴した形。

『妾は嘗てオーラのつるぎと呼ばれておった。だから契紋もオーラのような形をしておるのだ。』

デウスは立ち上がった。

『さて、最後の五星だ。お前は俺を認めるか。』

デウスの問いかけにマルミアドワーズは即答する。

『認めよう。君主よ。』

神気霊魂剣五星解放達成である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ