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ライラと友達  作者: 角刈りチーズ
第二章 無尽蔵
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第8話 モルグレンの森

森の中は静かだった。

鳥の鳴き声すらしない、私たちの話声だけの何もない空間だった。

魔物が襲ってこないかアンテナを張っていた。

だからこそ、突然目の前に現れた大きな魔力に驚いた。

3人とも馬車をかばうように前に出た。

ガロさんが私たちより少し前にいる。

魔力の正体、それは・・・魔族だった。


「なんだかうまそうなのがいるじゃないか。」

ニヤリと笑った顔が赤黒い肌で不気味さを増す。

控え目な頭の角がなければ人によく似ているけど、うまく言えない嫌悪感が溢れてくる。

放たれる膨大な魔力とその異質さが心の奥を圧迫してくる。

「・・・すごく嫌な感じ。」

「急に魔力を感じましたね。」

私のつぶやきにリサが答える。

「こいつは魔族ってやつか?初めて見たぜ。」

私たちとは裏腹に、ガロさんは余裕がありそうだった。

やっぱり場数が違うのだろう。

「あん?魔力なんぞ少なく見せるのは簡単なことだろ?これだから人間どもは・・・まあそんなことはいい。そこの女!お前おれと来い。」

そういって魔族は私を指さしてきた。


「え?」

「ほら、ぐずぐずすんな。とっとと行くぞ。」

そういいながら魔族が近づいてきた。

身構える私との間にガロさんが割行ってくる。

「おいおい。そんないきなり渡せと言われて、はいどうぞなんてなるわけねぇだろ。」

そう言って素早く剣を振り下ろす。

しかし剣が届いたかに見えた瞬間、ガロさんの両腕が宙を舞っていた。

「は?」

「どけよゴミが。」

自分に起きたことをガロさんが理解する前に、魔族が蹴り飛ばす。

一直線で馬車めがけて飛んでくるのを、リサがとっさに受け止める。

軌道はそれたものの、2人して木に打ち付けられた。

「ぐう・・・ガロさん!大丈夫ですか!」

リサが体を引きずりながら呼びかけるが反応はない。

2人が飛ばされたのを見て血の気が引くのを感じていると、腕を掴まれた。

気づけば目の前まで来ていた。

「ほら行くぞ。」そう言って乱暴につかまれたまま魔族は飛び立った。

恐怖でただただ動けなかった。

「ライラさーん!!」

リサの私を呼ぶ声が、遠くに聞こえた。

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