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罠かな?

 ダンジョンの探索を再開しよう……と、探索者協会の支部へ行ったら、チャラい男に美少女がナンパされていた。


 その美少女は困っている様子なので、助けたい──とは思うが、 どうしたらいいんだろうね?

 普通に注意して、素直に聞いてくれるのだろうか?

 今は子供のような姿の、俺の言葉だぞ?

 なんだか逆切れされそうな気がする。


 よく見たら腕にタトゥーもあるし、なにやらトゲトゲしたアクセサリーもあちらこちらに身に着けているその姿からは、他者を威嚇して自身の要求を通りやすくするのが目的なんじゃないかな……という印象を持ってしまう。


 ●:(やから)っぽいな


 ●エルシー:世紀末救世主伝説に登場してもおかしくないですね


 ●:ヒャッハー!www


 ●:バンドとかやっている可能性もあるから……


 勿論、ただのファッションだという可能性もあるけど、嫌がっている女性へと強引に迫っている姿を見ると、真っ当な人間には見えなかった。

 下手に突くと、攻撃してくる可能性もある。


 とはいえ、こちらも暴力に訴えるのはなぁ……。

 たぶん今の俺なら、大抵の人間には勝てるだろうから、彼を制圧するだけなら問題は無い。

 しかしこの日本ではどんな理由があっても、暴力を振るった方が逮捕されかねないからな……。


 う~ん……あ、でもなんとかなるか。


「あの……やめましょう。

 その子、困っているじゃないですか」


「あぁん?」


 制止された男は、俺を睨む。

 ……が、俺が子供のような姿をしているからか、すぐに態度をヘラヘラとしたものへと戻した。


「なんだ、子供かよ。

 でも、なかなか可愛い(ツラ)じゃねぇか。

 お嬢ちゃんも探索者か?

 それなら、俺とパーティーを組もうぜ」


 ●:ショタ……は知らないはずだから、ロリコンよ!!


 ●:可愛ければなんでもいいのかな?


 ●アイ:もしもしポリスメン?


 やっぱり俺も、ナンパの標的になったじゃないか……。

 ちなみにフードを被っているから、猫耳はバレてないが、性別は何も隠していないのに勘違いされている。


「お断りします」


 ●ナウーリャ:だが断る


「そう言わずによぉ~。

 可愛がってやるぜ」


 は、嫌だが?

 男といちゃつく趣味は無いんよ。


「ボク、男だけどいいんですか?」


「はあっ!?

 嘘だろ、証拠を見せろよ!」


 ●:股間を見せろってことですか!?


 ●:事案、事案です!!


 ●:セクハラやぞ!

 

「嫌ですよ。

 それに探索者協会の職員さんを呼んでいるので、そろそろ退散した方がいいんじゃないですか?」


 実はコボルトの一匹──アラミスに、茲富(こことみ)さんを呼びに行かせている。

 水杜(みもり)に行かせた方が確実だろうけど、彼女がいないと配信ができないのでね……。

 で、副支部長である彼女の力なら、こいつを出禁にさせることだってできるはずだし、そこまで厳しい処置にしなくても、今後の迷惑行為に対する抑止力にはなるはずだが……。


「なっ!?

 ふざけんじゃねーぞっ!!」


 男は俺に掴みかかろうとしてきた。

 えっ、逆上しちゃうの!?

 ここで騒ぎを起こしたら、協会から資格はく奪とかの処罰を受けるかもしれないし、最悪の場合は警察のお世話になるかもしれないのに?

 ほんと、短絡的だなぁ……。


 仕方がない……。


「眠れ」


「は……う……?」


 ●ナウーリャ:ラ○ホーですね


 ●マルル:スリ○ルだ


 ●アイ:ドル○ナーだよ


 ●エルシー:カ○ィノだと思います


 男が崩れ落ちるように、床へと座り込んだ。

 魔物相手だと攻撃した方が手っ取り早いからあまり使いどころが無かった「催眠魔法」だけど、こういう時には役に立つな。


 後は職員に引き渡せば解決かな。


「もう、大丈夫だと思いますよ」


「あ、ありがとうございます」


 と、ナンパされていた美少女は頭を下げる。

 改めて見ると、本当に美少女だな。

 まだ幼い印象もあるけど、薄っすらと化粧もしている所為か、少し色気もある。


「え~と……お礼にそこの喫茶店で、何か飲み物でもどうですか?」


 併設の喫茶店か。


 ●:ナオちゃん、逆ナンされてない?w


 ●:おねショタ おねショタ ( ゜∀゜)彡゜5000P


 確かにナンパから助けた娘から、ナンパされている形にはなっているな……。

 というか──、


「わうん(飲み物)!!」


 今まで空気を読んでいたのか、大人しくしていたコボルト達が反応する。

 君達、食いしん坊だよね……。


 ん……?

 この美少女、さっきからコボルトが目に入っていない訳ではないはずだが、まったく気にしていないな……。

 コボルトを見慣れている……?

 そういえば、なんだか彼女に対して既視感もある……。

 なんで?


 そんな疑念が頭をもたげてきた瞬間──、


「ナオちゃん、大丈夫!?」


 あ、水杜と茲富さんが来た。

 警備員も連れてきているな。


「はい、迷惑行為をしていた男は魔法で眠らせたので、あとはお願いします」


「分かったわ!

 ……って、ナンパされていた子ってあんたか。

 すぐに私に連絡しなさいよ」


 ん……?

 茲富さんは、ナンパされていた美少女と面識がある?


「ごめんなさい、お姉ちゃん。

 間違えられたことはあったけど、あんな本気で迫られたのは初めてだったから……」


 ……お姉ちゃん?

 茲富さんの妹……とかじゃないよな?

 全く似ていないけど、微妙に血の繋がりがあると思える程度には、どことなく印象が被る。

 そこまで思考を巡らせてから、ある人物を連想した。

 それは茲富さんの甥っ子で──、


「猪狩君!?」


 俺に告白してきた少年だった……子が、完全に女の子の見た目になっていた。

 もしかして……俺が女性の方が好きだって言ったから、外見だけでも女性に寄せてきた……!?


 まだ俺のことを諦めてなかったのか!?


 ●:あ~あ、ナオちゃんの魅力に狂わされちゃったかぁ


 ●:本当の自分に目覚めたのよ!! 10000P


 ●:確かに以前よりもかわいいが…… 3000P


 ●:ナオきゅん、責任を取ってあげたら?w


 待って!?

 ちょっと待って!?

 暑くて執筆が進みません(※クーラー無し)。

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