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蟻の巣の中

 ブックマーク・本文下の☆での評価・いいねをありがとうございました!

 虫は力持ちだ。

 特に蟻は、自身の数倍から数百倍も重い物を持ち運ぶことができる。

 また、動きも素早く、身体(からだ)も丈夫だ。


 そんな蟻が巨大化すれば、それはとんでもない脅威となる──。


 が、昆虫には哺乳類のような肺は無く、血液によって酸素を全身に運ぶこともできないという問題もある。

 実際の昆虫の呼吸は、気門から空気を取り入れ、気管によって酸素を全身に巡らせる訳だが、それは身体が小さいからこそ成り立つ機能であり、人間並みの巨体になれば機能不全となって、呼吸もままならなくなる。


 当然、怪力などを発揮できはずもなく、巨大化すれば強いというのは幻想だ。

 大きな身体を維持する為には、より複雑な身体構造が必要なのだ。


「……という話を聞いたことがあるのですが」


 ●:せやな


 ●:昆虫の呼吸機能だと、巨体の全てには酸素が行き届かなくなるようだね


 なのに目の前の巨大蟻は、普通に動いている。

 体長が2m以上もあるというのに、動きも素早い。


「この大きさで、どうやって呼吸しているんでしょうね……」


 ●:大抵の問題は、魔力で解決できるよ


 ●:魔力は物理を超越する


 ●:本来なら自重で潰れるような巨大生物が、歩いたり飛んだりできるのもそう


 魔力って魔法を使う為の力だと思っていたけど、なんでもありの不思議パワーってこと?

 そしてこの巨大蟻達は、その魔力によって活動を維持できるように進化しているのか……。


「しかし地図によると、蟻の魔物がこんなに出現するという情報は無かったのだがな……」


 マヤさんが言う通り、予定外に蟻の魔物の群れに出会った所為で、計画が大幅に遅れそうだった。


 ●:近くに女王蟻が住み着いたのかねぇ?


 ●:そもそもダンジョンは、蟻に掘らせて広げているという説もあるし


 ●:地図に無い道が増えているかもね


「それで迷ったら困るし、蟻が邪魔なのも困りますね……」


 ●アイ:女王蟻を倒せば万事解決だけど、私の知っているのだと魔王レベルの強さだったから、今はやめておいた方がいいね


 ●:7人の英雄すらも恐れさせるからな、蟻は……


 ●ナウーリャ:「毒生成」スキルがあれば、アリの巣○ロリみたいのを作れますから、そうすれば勝手に巣を全滅させられますが……

 マヤさんには?


「私は持ってませんねぇ……。

 新しく獲得しても、すぐにそんな強毒を作れるとは……」


 ●:ならば「気配遮断」で隠れながら行く?


 ●エルシー:ダンボール箱は用意しましたか?


 ●:メタ○ギアwww


 ●:そもそもコボちゃん達は、気配を消せないでしょ


「あ~、スキルを付与しても、しばらく特訓しないと使い物にならないでしょうね」


「時間も無いことだし、強行突破した方がいいな」


 ●アイ:じゃあ、天狐族なら種族特性で「幻術」が使えるはずだから、それで身を隠しながら行けばいいよ

 相手の五感もある程度は騙せるはずだけど、蟻にどこまで効くのかは分かんないので、その時はその時だけどね


「なるほど……。

 では、マヤさんお願いします」


「うむ」


 マヤさんが「幻術」を発動させる。

 ……が、今俺達は、(はた)から見るとどういう状態になっているんだ?

 水杜(みもり)のように、姿を透明化させている訳ではないようだが……。


「我々は今、一列に並んでいるが、第三者からは巨大蟻の姿に見えている。

 コボルト達は気配を消せないから、姿だけを消すとかえって違和感が残るからな。

 今は気配を蟻っぽく偽装している」


「そんなこともできるんですねぇ……。

 じゃあ、列は乱さないで進んだ方がいいですよね。

 君達も分かったかい?」


「「「わん!」」」


 で、コボルト達が先頭を進み、その次に俺とマヤさんが後に続く。

 周囲は無数の巨大蟻が(うこ゜め)いているが、今のところ俺達の方に注目している者はいない。

 それでもいつ見つかるのか……と、ついつい緊張してしまう。


 しかしコボルト達は、それほど深刻には感じていないようで、ちょっと視線を下げると尻尾をフリフリしながら歩いているのが目に入ってくる。

 可愛すぎて、思わず笑ってしまいそうになるなぁ……。


 ともかく、しばらくは順調に進めた。

 巨大蟻と遭遇しても、なるべく近づかないようにしていれば、そのままやり過ごすことができたからだ。


 しかし巨大蟻とギリギリですれ違うしかないような細い通路で、状況は大きく動く。

 前方から現れた巨大蟻が、こちらへと頭を向けてきたのだ。

 このままでは確実に接触する。


 ●:あー、蟻って触角同士で触れ合って、情報をやり取りしているっていうし、それをしようとしている?


 ●:触られたら、さすがに幻術も見破られるんじゃね?


 ●アイ:触覚も誤魔化せるから、触られるだけならなんとかなるよ

 でも、触角で情報のやり取りをしているのなら、そこまでは再現できないかなぁ


 じゃあバレるじゃん!

 事実、触角に触れて違和感を覚えた巨大蟻が仲間を呼んだのか、我々へと近づいてくる気配が一気に増えるのだった。

 昨日は新しくできた恐竜博物館へ行ってきました。世界最大のティラノサウルスの骨格標本レプリカとかが大迫力でした。

 そして今朝は地震で叩き起こされた。

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