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地球への道

 その日俺は、マヤさんの家に泊めてもらった。

 結構な豪邸で、日本の一戸建てならば数軒分はありそうな大きさだ。

 マヤさんは村長もしていて、その屋敷に迎賓館や村の庁舎の機能も持たせた結果なんだとか。


 そんな訳で、高級ホテルにでも泊まるかのような心持になったが、俺についてきたコボルト3匹が興奮して、吠えたり走り回ったりしたので、それを落ち着かせることに忙殺されてゆっくりと休むことはできなかった。


「ワウーン!?」


「キャウーン!?」


 特にテレビを見た時の反応が激しかったな……。

 まるで漫画とかでよく見る、過去の時代から来た人間が、現代文明に触れた時の反応のようだった。

 ……って、異世界なのにテレビがあるのかよ!?


 とにかく、3匹のコボルト達を文明に馴染ませることは、当面の間苦労しそうだし、既にちょっと疲れた。


 まあ、夕食が美味しかったことだけが救いか。

 なお、3匹達もパーティーに入れて「毒無効」のスキルを取ったので、同じ食事は問題なく食べることができた。

 凄く喜んでいたから、貴重なポイントを使った甲斐はあったな……。

 というか、喜んでいるコボルト達を見て、神様達も水杜(みもり)の同時視聴へポイントを沢山投げてくれたので、プラスマイナス0だが。


 やはり動物コンテンツは数字をもっている……!


 で、翌日──。

 これから再びダンジョンに入って、元の世界を目指すことになる。


 折角異世界に来たので、もっと異世界を楽しみたい気持ちはあるが、日本では俺が行方不明扱いになっているらしいので、早く帰って生存を知らせたい。

 茲富(こことみ)さんとか、色んな人に心配をかけているだろうし……。


 まあ、水杜に知らせてもらうという方法もあるのだが、ちょっと情報源が神様達への配信というのは説明が難しいから、それは最終手段だ。


 ともかく早く帰りたいのは事実なのだが、その前に決めなければならないこともあった。


 特にコボルトの移住先については、気になるところだ。

 しかし外敵の少ない土地の選定には時間がかかるし、野生生物に近い彼らを完全に野放しという訳にもいかないので、多少の教育や管理も必要だ。

 彼らが増えすぎた結果、人里におりてきて農作物を荒らす……なんてことも将来的にはあり得るからな……。


 少しずつ村と共存できるようにする必要がある。

 だが、その対策について、最後まで見届ける時間が俺には無い。

 仕方が無いので、マヤさんの部下に任せることにするが……。


「それでは、地球という世界へと向かいますよ」


 そしてマヤさん本人は、俺達を地球まで送り届けてくれることになっている。


「よろしくお願いします」


「はい、早速出発しましょう」


 次の瞬間、俺達は転移魔法で移動した。

 そこは──、


「あれ?

 この前のとは違う?」


 目の前にはダンジョンの入り口らしき洞窟がある。

 しかし俺達がこの世界に来た時のものとは違う。


 ●:そこは既に地球の日本と繋がっていることが判明している出入り口だね


 ●:そこなら日本政府との交流があるから、道順のマップもあるよ


 ●:それを見ながら行けば、迷うことは無いはず


 ●:強い魔物が出るから、護衛は必要だろうけどね


 ●アイ:その為のマヤだよ!


「なるほど」


 確かに近くには売店とか、何らかの施設があるな。

 そこでマップが買えるのかな?


「そういえば、地球と異世界の間に、通信網を作ろうという国家事業が動いていたような……。

 もしかして、この辺に日本人がいる?」


「いるんじゃないかな?

 聞いてみようか」


 と、マヤさん。

 頼りになるお姉さんだ。

 ……いや、年下の可能性もあるのか……?

 見た目からは分からない……というのは、今の俺も同じだが……。


「日本人いるって」


 あ、いるんだ。

 界外出張、ご苦労様です。


 それじゃあ、日本の探索者協会と連絡を取ってもらって、生存を報告することができないか、聞いてみようか。


「はい、何か御用でしょうか?」


 日本政府が建てたらしい施設から出てきたのは、いかにもくたびれたサラリーマンって感じのおじさんだった。

 建物には「在異世界日本国領事館」って看板が掲げられていたから、もしかして領事なのかな?

 つまり偉い人?


「──!

 これはこれは……お会いできて光栄です」


 その領事らしき人がマヤさんの姿を見た途端、一気に(へりくだ)った態度へと転じた。


 え、マヤさんって、思っていたよりも偉い人なの!?

 来週から3日ほど大腸ポリープを切除する為に入院するので、1~2週間ほど更新できなくなると思います。

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