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時空の三連星 第1章 第15話

第十五話


:堕天使の純光、絶対の領域

【前編:堕天使の翼】



激しく交錯するオーラの中で、シズの纏う空気が一変する。

駿の超絶的な体術にすべてを受け流されながらも、彼女の微笑みが消えることはなかった。むしろ、目の前の絶対的な強者への愛しさが

その瞳をますます澄み切ったものに変えていく。

平穏な日常という「天」を自ら捨て、ただ一人の男に並び立つために、二つの時空の力を背負って舞い降りた――その姿は、まさに美しき**「堕天使」**だった。

シズの精神の深淵で、ハルとアオイの瑞々しい魂が、さらに強く共鳴する。


『シズお姉ちゃん、駿さんの反応速度、やっぱり凄いです……! でも、私の『解析陣形フォーメーション』はまだ崩れていません。次の刹那、あの人の右肩がわずかに下がります!』


中学生のハルが、知的な興奮に声を弾ませながら思考を同期させる。


『世界の仕組みを全部解き明かしたような、あの綺麗な目……。私、あの目に私の存在を完全に刻み込みたい! もっと、もっと深く演算を回します!』

『ハル、ナイス! 私もいくよ!』


高校生のアオイの声が、純粋な羨望と闘志を乗せて響く。


『本当に一瞬の隙もないお兄さんだけど……だからこそ、私が命懸けで磨いた技を全部、あの胸に叩き込みたい! シズお姉ちゃん、私の『旋風・連撃』、速度を最大にするから、あとはお願い!』


毎夜、ただ一筋に駿を想い、その胸を焦がしてきた純粋な情念。そのすべてを、翌朝の血を吐くような過酷な修行のガソリンに変えてきた彼女たちの努力が、今、真っ直ぐな愛の光となって駿へと放たれる。


「ええ、ありがとう、ハル、アオイ。私たちは、ただあの人に届きたいだけ。……全てを捧げて、お応えしましょう」


シズは慈愛に満ちた声を響かせ、アオイの限界を超えた連撃と、ハルの神速の演算をその身に宿しながら、堕天使の翼を広げるように駿の懐へと踏み込んだ。










【後編:絶対知覚圏の抱擁】



――凄まじい衝撃波が、高層ビルの屋上を何度も揺らす。

しかし、その嵐のなかにあっても、駿の展開する

**「絶対知覚圏」**は揺るぎもしなかった。

空間そのものに溶け込んだ彼の思考回路は、シズが放つ堕天使の如き一撃の軌道を、大気の分子レベルで完全に掌握している。

駿はシズの手刀を、自らの掌のわずかな回転だけで完璧に無力化し、その力を受け流した。


「ハル、その演算は俺の知覚を捉えかけている。アオイ、その連撃のキレは確かに世界を凌駕しているな」


まだ直接触れ合うだけの距離。だが、この「絶対知覚圏」のなかで、駿は彼女たちの魂の形を、そのあまりにも真っ直ぐで純粋な愛の熱量を、手に取るように感じ取っていた。

そこに歪みなど一片もない。ただ並び立ち、ただ愛し合いたいという、狂気的なまでに純粋な「聖愛」。その想いの重さに、駿の胸の奥で歓喜の炎が激しく燃え盛る。


「だが、まだ足りない。シズ、お前たち三人の魂の融合は、俺の絶対知覚圏を破るには、まだほんのわずかに調和が足りていないぞ」


駿は慢心することなく、むしろ彼女たちの覚悟を極限まで引き上げ、対等な存在へと引き上げるために、あえて冷徹なプレッシャーをさらに強めた。


「俺を本気で超えてみせろ。その真っ直ぐな愛が本物なら、この領域ごと、俺を喰らい尽くしてみせろ」


王の絶対的な格。それに立ち向かう堕天使の微笑み。

中盤戦の攻防は、互いの魂の純度を競い合うように

さらなる次元の闘争へと突入していく。



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