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不自由な僕らのアナザーライフ  作者: たてみん


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168/185

168.バトルゲーではなく育成ゲーだった

 僕の不定期配信を観てくれてる人やコロン達の情報網を通じて砂漠で盗賊ロールプレイをしている人に情報を流してもらった結果……と言う訳では無かったみたいなんだけど、無事に盗賊の討伐に成功した。

 ただ首謀者には逃げられてしまったので、もしかしたら別の場所で第2第3の盗賊事件が起きる可能性はある。

 まぁ部下の殆どを失ったはずなのでしばらくは大人しくしてくれるだろう。

 それとこの盗賊騒ぎのお陰なのか良い事もあった。


「去年から今年にかけて行商人を襲う野盗がめっきり減ったそうです」


 野盗というのは大体食うに困った農民や、冒険者が道を踏み外してなる場合が多く、毎月何件も被害がでていたそうだ。

 そんな野盗たちが今回の盗賊団に合流したんじゃないかと。

 彼らの狙いが防壁も完備した『黄金の街』だった結果、街の被害は微々たるもので野盗を一掃出来てむしろ助かったらしい。

 プレイヤーが絡んでたっぽいし、実は社会貢献の一環だった?

 まぁ街の平和は守られたので深く考えなくて良いだろう。


「さて、すぐに出発しても良いんだけど、折角だからもう少し滞在してみる?」

「そうですね。砂漠限定のイベントもありそうですし」


 ということで僕らは1週間くらいこの街を拠点に活動することにした。

 個別イベントもあるかもだし今日はこれから別行動だ。


「言っておくけど、ピラミッドはエジプトであって砂漠全般の建造物ではないからね?」

「わ、分かってるよ」


 意気揚々と出発しようとした僕にコロンが釘を刺してくるけど、それくらいは僕も分かってる。

 砂漠と言えばそうあれだ。オアシス。

 この街に来るまでの道中では見つけられなかったけど、街の中心には元々オアシスだったと思われる泉があるし、探せば砂漠の中にもあるはず。

 出来れば見渡す限りの砂漠の中にぽつんと存在するような、そんなオアシスに巡り合いたいものだ。

 それと探しに行く前に今のうちに僕の祝福についても確認しておこうと思う。

 先日の砂嵐を透視した時に足場を失ったような感覚になったけど、もし本当に足元の砂に触れられなくなっていたのだとしたら問題だ。

 最悪、底なしの落とし穴に落ちて生き埋め状態になる危険もある。

 ということでやってきました防壁の上。

 ここなら足場は石材だし、仮に落ちたとしても地面まで距離があるから急いで祝福を解除すれば何とかなるはず。

 もしかしたら防壁の中に埋まるかもだけどその時はその時だ。

 今の僕のステータスの祝福欄はこんな感じ。


『祝福:視力?(17)【時】【選】【空】』


 この後ろに付いてるのが固有の能力を示してるはずなんだけど、漢字1文字って。

 日本の漢字って色んな意味を持ってるから前後の文脈が無いと分かりづらいんだけど。

 1つ目の【時】はこれまでの経験から読み解くと多分そのままかな。

 モンスターの行動を数秒先まで視たり、逆に少し前に走り去っていった冒険者の軌跡を幻視したり。

 この能力にしても、何秒先まで視えるのか、対象はどこまでか、なども検証しないといけない。

 例えば防壁から見下ろした街中の人達全員の未来を一度に視ようとすると全然視えない。

 だけど対象を1人に絞れば3秒~5秒くらいは視えたりする。

 逆に過去はどうかと言えば、結構前まで視える。

 これは確定している過去と未確定な未来の性質の違いによるものだろう。


 2つ目の【選】。

 これが恐らく先日の盗賊だけがくっきり視えて砂を視えなく出来た原因かな。

 視たいもの、視たくないものを選べるようになるんだろう。

 試しに防壁を視つつ砂漠の砂を視ない様に意識すると……思った通り砂漠の砂だけが視えなくなった。

 ただし距離に制限があるらしく300メートル以上離れたら無理みたい。

 お陰で僕の目では地面に球形の大穴が開いてるように視えている。


「っと。やっぱり完全に視えなくするのは負担が大きいみたいだ」


 半透明ならまだしも完全に視えなくすると1分と経たずに頭がくらくらしてきた。

 多用は厳禁だな。

 あと視えなくする範囲も例えば親指と人差し指で〇を作った中だけ、みたいに限定出来た。

 これで試しに防壁の一部を視えなくして触ってみると、触れた。

 ということは視えなくしていても触れなくなる訳ではないらしい。良かった。

 3つ目の【空】は……なんだろう。


『見上げてごらん夜の星を~♪』とか?


 試しに空を見上げても今は昼。星は、いちおう視えるけど。

 でもそういうことでは無いだろう。

 空は「そら」ではなく空間の「くう」の方かもしれない。

 それなら壁の向こう側の空間を視る、みたいに使えそうだ。

 こちらも試しに防壁の上から見える民家の中を視ようとしてみたけど駄目だった。

 恐らくプライベート空間は視れませんってことだろう。

 代わりに食堂みたいな一般に開放されてる場所なら視えた。

 視えたというか映ったというべきかな。

 目の前に四角いディスプレイが出てきて食堂の入口付近から中の様子を撮影してるような映像が表示された。

 ……監視カメラかな?

 悪用しない様にこれも自制しよう。


「さて。一通り確認してみたけど」


 なぜだろう。

 ちょっとだけ違和感を覚えてしまった。

 これまでの経験と能力に乖離がある訳じゃないんだ。

 たしかに祝福の効果でそう言う事が出来てたなって思う。

 モンスターとの戦闘でも凄く役に立ってくれてたし感謝もしてる。

 でも、だ。


(これが僕が望んだ祝福なのかな)


 このゲームのコンセプトは自分の願望をとことん極めようってもののはず。

 でも僕は別に未来や過去を視ることや、壁の向こう側を視ることが主願ではない。

 それはあくまでオマケで戦闘のサポート機能だ。

 それを極めたいですかと聞かれたらNOと即答できる。

 という事は僕、祝福の育て方間違えた?



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