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Tanosi牧場共和国  作者: 雪谷惑星
第2巻:白鱗の王姫
29/35

第2話:裏切り者(うらぎりもの)

**ドォォォォン!**

**ズガガガガッ――!**


夜の山林に、激しい爆発音が絶え間なく鳴り響く。

岩石は砕け散り、樹木はなぎ倒される。

静寂に包まれていたはずの無人島は、今や混沌極まる戦場と化していた。


サ露ス(サルス)は、言いようのない違和感にさいなまれていた。

自分は助けに来たはずなのに、なぜか救出対象と死闘を繰り広げている。


(この男のエネルギーは一体何なの!? これ、邪神の力じゃないの!?)

(なぜただの人間が、これほど熟練した手つきで邪神の力を操れるのよ!)

(まさか、こいつが『神の眷属かみのけんぞく』だっていうの?)


資料に記されていた「一般人」という情報とは、あまりにもかけ離れている。

それに彼が持つあの剣。神聖な気配が濃厚すぎて吐き気がするほどだ。

なぜ重要人質であり、人類陣営の一員であるはずの男が、正反対の性質を持つ二つのエネルギーを同時に、しかも融合させて使いこなしているのか。


そして、何よりも解せないのは……。

(なんで親のかたきみたいに、必死になって私を斬りつけてくるのよ!)


こちらは荒波を越え、わざわざこの恐ろしい禁忌の地まで、たった一人を救うためにやってきたのだ。感謝されるならまだしも、執拗に命を狙われる筋合いはない。


「もうやめて! 私は貴方を助けに来たのよ!」

サ露スは機械腕を掲げ、降参のジェスチャーを見せた。

だが、返ってきたのは山をも断ち割らんとする致命的な一太刀だった。


**ゴォォォッ!**

サ露スは紙一重でそれを回避し、真っ二つにされる運命を免れた。

これには、彼女の堪忍袋の緒もついに切れた。


「この分からず屋! せっかく助けに来てあげたのに、恩を仇で返すどころか斬り殺そうとするなんて! 母親から礼儀ってものを教わらなかったの!?」


サ露スは怒りに任せて突進し、湯評タン・ピンに強烈な平手打ちを見舞おうとした。

しかし、逆に湯評の蹴りをまともに食らい、近くの岩壁へと叩きつけられる。岩にめり込み、身動きが取れなくなった。


邪神の代行者は、この好機を逃さなかった。

彼は両手を掲げ、この怪物を一撃で仕留めるべく力を込める。


「偉大なるタノシよ! 我に力を!」

「貴方の意志と憤怒を背負い、目の前の敵に裁きの鉄槌を振り下ろさん!」

深淵邪法アビス・アーツ――海月大砲 (クラゲ・キャノン)!」


海のように深く純粋な蔚藍あおのエネルギーが男の手の中に凝縮され、何ものも防ぎ得ぬ砲弾と化す。それは雷霆らいていのごとき勢いでサ露スへと放たれた。


(……まともに食らえば、死ぬか、良くて半死半生ね)

(もう構ってられないわ! まずは生き残るのが先よ!)


隠密ステルスモード、解除!」

「Holy Angelic System, Open(ホーリー・アンジェリック・システム、オープン)!」


湯評が驚愕の目で見守る中、サ露スが形態変化フォームチェンジを開始した。

双腕が球体の内部へと格納され、外殻には電子回路のような紋様が浮かび上がる。そして、全身から黄金の炎が噴き出した。

古代文字で構成された二つの桃色の星環アストラル・リングが虚空に出現し、球体の周囲を高速で回転し始める。

星環が回るたび、サ露スの纏う黄金の炎は、より一層その輝きを増していった。


「あの黄金の炎……一体、何なんだ?」

タノシの圧倒的な強さを知る湯評でさえ、この光景を前に思わず一歩後退した。


「貴方がどう思おうと、私は必ず貴方を連れて帰るわ!」

サ露スは燃え盛る太陽のごとき姿となり、何ものも寄せ付けない絶対的な力をもって、湯評の元へと突進した。


---


その頃、湯評とサ露スが激戦を繰り広げている場所からほど近い山腹。

軽鎧を纏った龍姫りゅうきは、目の前の三体の敵を見据えていた。


**ジャキィィン! ジャキィィン!**

二本の長槍が突き刺さる。

残るは、あと一体。

青嵐チン・ランは槍を抜こうとはせず、そのまま敵を大地に縫い止める「釘」として放置した。


「貴様、世界の意志に認められた存在ではないのか? なぜ我らの邪魔をする!」

唯一の生き残り、パクス(Pax)が声を荒らげて問い詰めた。

なぜ彼女が自分たちを襲うのか、彼には理解できなかった。世界の意志に認められたのであれば、彼女は「善」の陣営に属するはずだ。

彼女から溢れる神力は、一点の汚れもないほど純粋なのだから。

資料によれば、彼女は四聖獣・青龍の末裔である可能性が高い。

パクスは、事態がなぜこれほどまで混迷しているのか、見当もつかなかった。


「……」

龍姫は答えず、ただ冷徹な眼差しで彼らを見下ろす。


「貴方の体に何か拘束術式がかかっているのか? 奴隷契約か何かだろう! 我らを解放しろ、その契約を解く手助けをしてやる!」

パクスは焦っていた。拘束を逃れようともがくが、神力によって強化された蔦は、馬力を100%にまで引き上げても微動だにしない。

他の仲間たちも戦っているはずだ。自分がここで時間を取られるほど、撤退は困難になる。

彼らの第一任務は、異端の邪神を滅ぼすことではなく、あくまで「人質の救出」なのだから。


「貴方たちは、いくつか勘違いをしているようね……」

青嵐は淡々と言い放った。

同時に、操る蔦がパクスの体をさらに強く締め上げる。パクスは内臓が押し潰されるような錯覚に陥った。


「あ……がはっ……やめろ……っ!」

パクスが悲鳴を上げる。

金属の球体形態とはいえ、神級の攻撃を受ければ、彼もまた痛みを感じるのだ。


「第一。私が世界の意志を受け入れたのは、単にそれが必要だったからに過ぎないわ」

「第二。高貴なる龍の一族が誰かに屈することなどない。奴隷契約など、その気になればいつでも引き裂ける」

「第三。そして、これが貴方たちの犯した最大の過ちよ……。私の『ダンナ様』を連れ去ろうだなんて! 万死に値するわ……信じられない。たとえ神が貴方たちを許したとしても、この私が決して許さない! 死になさい!」


龍姫が両拳を握りしめた。

刹那、虚空に三本の長槍が出現し、碧緑へきりょくの光を放つ。

彼女が手を振り下ろすと同時に、三つの円球の怪物は木っ端微塵に粉砕された。


敵を排除した青嵐は、山麓の戦場へと視線を向け、久しぶりに微笑んだ。

「また、強くなったのね……。ふふ、流石は私が見込んだ男だわ」


---


**ドォォォォンッ!**

サ露スは狂ったように盾へと体当たりを繰り返す。一歩も引かない、不退転の構えだ。

だが、そのゼリーのように柔らかな盾は、揺るぎなく湯評を守り続けていた。

サ露スは、自分が盾を叩いているのではなく、ダイラタンシー流体(非ニュートン流体)に突っ込んでいるような錯覚に囚われていた。


もはや、遊んでいる時間はない。人質を連れて一刻も早く撤退しなければ。


「いい加減に目を覚ましなさい! 私は貴方を助けに来たのよ!」

サ露スはスピーカーを最大出力にし、最後通告とも取れる歩み寄りの言葉を投げかけた。


本来の計画では、兄の伯尼達斯ボニタスが邪神を引きつけている隙に、湯評タン・ピンを密かに連れ出すはずだった。

だが、事態は明らかに狂い始めていた。

人質は洗腦されたかのように敵意を剥き出しにし、援護に現れるはずの三人も姿を見せない。

(……私一人で、この任務を完遂させるしかない!)


「貴方もこの星の住人でしょう!? ここは危険よ、早く私と一緒に来て!」

「その力を使わないで、死んでしまうわ!」


サ露ス(サルス)は湯評の敵意を削ぐため、語気を和らげて対話を試みた。

だが、湯評は微塵も動じない。

感情を排した戦闘マシンのように、淡々と、そして確実に任務を遂行していく。

彼の目的はただ一つ。目の前の敵を抹殺すること。


---


**【Aetherisエーテリスシステム:情報処理中……】**

**【ソース:敵対ユニット】**

**【外部音声干擾:シールド完了】**


静寂に包まれた世界の中で、湯評には自分の鼓動以外の音は聞こえなかった。

余計な雑音を排除し、勝利のために目の前の敵だけに集中せよ――それがモニカの与えた指針だった。


「湯評、外の声は聞こえる?」

「いや、君の声以外は何一つ。どうしたんだ?」

「何でもないわ。ノイズキャンセリングが故障して、外の爆音に貴方が惑わされないか心配だっただけ」

「ありがとう、君がいてくれて本当に助かるよ」

「……」


モニカは沈黙した。

これが彼女の仕事だ。たとえその手段が卑劣であろうとも、芽吹いた種は今のうちに摘み取らねばならない。

すべては、タノシ様のために。


「……やっぱり、怖がる必要なんてなかったんだ」

湯評が低く呟く。

体内にはタノシの力が宿り、傍らにはモニカのバックアップがある。すべては掌握下にあるのだ。

目の前の円球の怪物など、恐るるに足りない。

湯評は無造作にエネルギー砲を放ち、サ露スを遥か彼方へと吹き飛ばした。


モニカから教わったのは、最も基礎的なエネルギーの循環法に過ぎなかった。

だが、魔力を特定のルートで巡らせ、経絡けいらくツボを貫通させることで、その運用効率は劇的に向上する。

湯評はそこへ、自分なりのアレンジを加えた。

魔力を四肢に付加すれば、身体能力は五輪選手を凌駕するほどに跳ね上がる。拳や武器に集中させれば、その威力は倍加する。

卓越した想像力とモニカのリアルタイム補佐により、独自神術――**『海月クラゲシリーズ』**が誕生したのだ。


今の湯評なら、あのイチゴの怪物が十体並んでいようと、瞬きする間に塵にできるだろう。


「偉大なるタノシよ、疾風のごとき速さを我に!」

深淵邪法アビス・アーツ――海月神行 (くらげしんこう)!」


湯評の両足が爆発的な推進力を生み、彼は砲弾となって飛び出した。

その速度はフル稼働状態のサ露スにすら匹敵し、彼女を驚愕させた。

(こいつ……戦いながら、どんどん強くなってる!?)


---


サ露スはもはや出し惜しみはできないと判断し、機体の稼働効率を八割まで引き上げた。

「Thrones Mode: 8th Eye Open(スローンズモード:第八の眼、開眼)!」


サ露スの放つ輝きが激しさを増し、周囲の木の葉は一瞬で焼け焦げて丸まり、大気は高熱で歪んだ。

あまりの眩しさに、湯評は一瞬視界を奪われる。

次の瞬間、強烈な衝撃が湯評を襲い、彼は吹き飛ばされた。

だが、彼が地面に叩きつけられる寸前、サ露スはさらに追い打ちをかけ、再び彼を宙へと打ち上げた。


(考えを変えたわ! 気絶させてでも連れて帰る!)


しかし、湯評もただ打たれるだけの男ではない。

「捉えどころなきタノシよ! その彩り豊かな演技をもって、敵を、そして世界をあざむき給え!」

深淵邪法アビス・アーツ――海月幻影 (くらげげんえい)!」


**シュッ――!**

刹那、戦場に三体の残像が出現した。どれもが湯評本人と瓜二つだ。

四人の湯評が四方へと散り、別々の方向へと逃走を開始する。

予期せぬ事態に、サ露スは一瞬その場に釘付けになった。

だが、即座に彼女は再起動する。


「Thrones Mode: 9th Eye Open(第九の眼、開眼)!」

出力をさらに高めたサ露スが、逃げる湯評の一体に肉薄する。


**ゴンッ!**

燃え盛る金属球が背後から激突し、湯評の姿を光の粒子へと粉砕した。

「くっ、幻影ね。次よ!」


その後、残る二体の幻影も次々と撃破された。

サ露スはついに本体の湯評へと突撃を敢行する。もはや、逃げ場はない。


「海月大砲 (クラゲ・キャノン)!」

放たれた光軸を、サ露スは熱したナイフでバターを切るように突破する。

彼女のセンサーは、湯評の顔に浮かぶ驚愕を克明に捉えていた。


海月防護壁くらげぼうごへき!」

「海月防護壁!」

「海月防護壁!」


形勢逆転を悟った湯評が、なりふり構わず三重のシールドを展開する。

だが、無駄だ。


**パリィィィン! パリィィィン! パリィィィン!**


三枚の盾が瞬時に砕け散る。

目の前には黄金の太陽。湯評の全身から汗が噴き出す。

サ露スが機械腕を大きく広げ、彼を捕らえようとした。


「海月神行 (くらげしんこう)!」


最後の瞬間、湯評は奇妙な歩法でサ露スの拘束を紙一重でかわし、再び鬱蒼としたジャングルへと逃げ込んだ。


あがきなさい! おとなしく一緒に来るのよ!」

サ露スは巧みに樹木を回避しながら、なおも投降を促す。


(……ダメ、もう時間がない!)

通信から聞こえる状況では、兄の伯尼達斯たちが邪神を辛うじて足止めしている。

パクス兄さんたちが援護に来ないのは不安だけれど、今は自分の任務に集中するしかない。


この愚か者を一刻も早く島から連れ出しさえすれば、ボニタス兄様は一切の憂いなく禁術を解放し、あの邪神を確実に消滅させられる。

それで任務はすべて完遂するはずだった。

なのに……この大馬鹿野郎は、なぜ止まらないのよ!


「止まりなさい! この分からず屋ッ!!!」

サ露ス(サルス)はさらに速度を上げ、湯評タン・ピンの背後に肉薄する。

だが、湯評は彼女の叫びに耳を貸すことなく、方向を転じて逃走を続けた。


湯評は焦っていた。

もはや、打てる手は残されていない。

海月大砲クラゲ・キャノン』は彼が持つ最強の技だ。もしこれでも相手を退けられないのであれば、逃げ続けたところで結果は同じだ。遅かれ早かれ追いつかれる。

(……結局、最後はタノシ様に頼るしかないのか)


「タノシ様、そちらの状況はどうですか!? 敵は倒しましたか!?」

『&#%#$@&……』

(くそっ! ノイズだらけだ!)

(……自分で何とかするしかない。考えろ、漫画や映画に出てくるような技を……戦況を逆転させる方法を……!)


そうだ。最初の一撃は、確かに手応えがあった。

相手が本気になり、体表から炎が噴き出し始めてから、俺の技が通じなくなったんだ。

なら、俺も魔力の密度を極限まで高めればいい。技の破壊力を底上げすれば、致命傷を与えられるはずだ。

(よし! 賭けてやる!)


海月幻影くらげげんえい!」

湯評の体から一体の幻影が分離し、サ露スを誘い込むように前方へと走り去る。

一方、湯評の本体は地面に伏せ、幻術の加護によって地表へと完全に同化した。


**ドォォン!**

前方の幻影が粉砕される。

サ露スが振り返る。そこに、湯評の本体を見つけた。

彼は長劍ちょうけんを高く掲げた。


「お前が誰なのかは知らないし、恨みもない。だが、この生まれたばかりの国を壊し、民の希望を奪おうとするなら……俺は決して許さない!」


重い決意を込めた宣告。

それに応えるかのように、手のてのこうの『水神の印』が爆発的な蔚藍あおの光を放った。

光は手首を這い、踵を貫き、一筋の髪の毛にまで無尽蔵の力を宿らせる。

不可視の威圧感が四散し、敵をも戦慄させるその立ち姿は、まるで神霊が地上に降臨したかのようだった。

膨大なエネルギーが積層し、最終的にすべてが『七星龍淵しちせいりゅうえん』へと集束していく。

湯評の瞳から迷いは消え、代わりに言いようのない「狂熱」が宿った。


この戦いに退路はない。

今度は、俺が勝つ。

「勝つのはこの俺――湯評だ!」


「なるほど……自ら望んで、その力を?」

サ露スの声が低く沈む。

もし彼女に人間のような瞳があったなら、湯評はそこに深い失望の色を見たはずだ。


「貴方のような人を、私は数え切れないほど見てきたわ」

「最初は力を借りているつもりでも、最後には自分という存在すら忘れてしまう。……貴方を、そんな風にはさせない!」


彼女は心の中で十字を切った。

周囲を回る星環が高速回転を始める。


「迷える子羊よ。神聖なる光の導きに従い、帰るべき道を見つけなさい!」

灼熱の炎が全身を包み込み、サ露スは機体内の潜在能力がすべて呼び覚まされるのを感じた。

それは太陽から授かりし天の火。世のあらゆる汚れを焼き尽くす『陽光烈焰ソーラーフレア』だ。

深淵に堕ちた悪人を討ち、歪んだ真実を正す。たとえそれが暴力によるものであっても。


「聖光十字神国の守護者としての誇りに賭けて、創造主たる我が父に、この唯一無二の勝利を捧げましょう」

「Thrones Mode: 10th Eye Open(スローンズモード:第十の眼、開眼)!」


サ露スが全出力で湯評へと突っ込む。

燦然と輝く黄金の烈焰が、夜空を昼間のように照らし出した。

彼女は今、地球へと降り注ぐ彗星。目の前の生命すべてを滅ぼすと誓った、正義の凶弾だ。

(今度は、砲弾だろうと盾だろうと通用しないわ! 正義の裁きを受けなさい……裏切り者!)


「神聖禁呪――Flare Cometフレア・コメット!」


対する湯評も、準備は整っていた。


「大洋の統治者、タノシよ! 貴方の憤怒は都市を飲み込み、その咆哮は艦隊を灰にする!」

「貴方こそはこの星の最強者、唯一無二の至高神だ!」

「その力を貸し与え給え、眼前の敵を滅ぼすために!」


湯評は一歩踏み出し、両手で柄を握り締めた。

「これが、俺の選んだ道だ!」

深淵邪法アビス・アーツ――海月斬くらげざん!」


湯評が猛然と剣を振り下ろした。

巨大な蒼い斬撃が弧を描き、一直線にサ露スへと飛翔する。

この一撃に、魔力のすべてを注ぎ込んだ。

自分の命を。

己の誇りを。

すべてを、この一太刀に。


千軍をなぎ倒す神の斬擊と、地核を突き穿つ烈焰の彗星――。

相反する二つのエネルギーが、真っ正面から激突した。


蒼と金の境界で、空間が飴細工のように歪む。

そして――。

世界は、静止した。


風も。

音も。

鼓動さえも、止まったかのように。


次の瞬間――。

**ドゴォォォォォンッ!!!!!**


光がすべてを飲み込んだ。

天空は引き裂かれ、大地は崩壊する。

半径百メートルには、ただ焦土と化した地表と、消え残る炎の残光だけが残されていた。

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