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結婚

美穂が花嫁修行を初めてから早三年。

義務教育に続き、こちらのプランも、恵子と二人何の問題もなく順調に進み、美穂は今では恵子顔負けの立派な金の亡者になっていた。


炊事、洗濯、掃除、裁縫、軽い家の修繕等々の家事全般を、難なくこなし、市役所等公共のあらゆる施設を、有意義に使いこなしていた。

お金にも賢くなっており、一円単位で銭の勘定をしている美穂の目付きは、頼もしいものがあった。


自分が生きていくためには親をも食い殺す、そんな勢いがあった。


私と恵子が例え死んだとしても、何とか一人で生きていけそうな、そんな安心感が私の中に芽生えていた。


方や健太くんの方も順調に結果を出し、私の方針通り、国公立の合格通知を5つも獲得し、その内の1つである国立大学の千葉大学に入学し、今年無事に卒業していた。


健太くんが次々と国公立の大学に合格したときには、森文子はそれはそれはもう大喜びであった。


文子は、母親が文子と文子の兄の教育費に、一人1000万円もかけたにも関わらず、大学に合格することが出来ず、最終学歴が高卒になってしまった事を、ずっと引きずっていた。


それなのに一人息子が次々に国公立大学に合格するものだから、歓喜の雄叫びを上げて喜んでいた。


私も、文子に最高の絶頂を与えられたのではないかと、少しニマっとした。


文子が大喜びする度に、家庭教師をやって良かったなと、私は素直に思っていた。


旦那の健二さんも、文子に内緒で二人でこっそり飲みに行ったときには、『ありがとう、ありがとう』と、涙を流して感謝してくれていた。


今思えば、無事に結果が出せて良かったな、と思う。


もし結果が出せなかったら、どうなっていたのだろう。


あの二人の我が子への命を削る愛情を目の辺りにした今では、よそ様の子供にはあまり関わるべきではなかったのかなと、少し後悔すると共に、良くも悪くも、一人息子の将来に関わってしまったと云う、軽い恐怖も感じるようになっていた。


しかし、何はともあれ私はしっかり結果を出したのではないかと思う。


そこで私は次のプランの提案を、今度は、妻の恵子と森健二さんと森文子の三人にすることにした。


それは、健太くんと美穂の結婚の話であった。


私からの提案ではあったが、3人とも私の話を聞いてくれることになった。


ある日の日曜日、健二さんの家に子供たち抜きで、4人で集まった。


『今日は急がしい中お集まり頂き、誠に有り難うございます。

早速ですが、また健太くんと美穂の今後について、長々と私の施策を説明させていただきます。』


私は、家庭も人生も、ビジネス、経営、の部分が少なからずあると思っている。

そのため、愛や、人情であまり人生の設計を立てることはなく、このようなプレゼン的な説明になってしまうのである。


『先ずは、結論から言います。

健太くんと美穂を結婚させたいと思っています。

これは、二人の結婚の条件が大変良いからです。

具体的に説明すると。


①健太くんも美穂も、大人しくお人好しの性格である。

②二人の性格の相性がとても良い。

③健太くんも美穂も、どちらも超絶健康体である。

④健太くんも美穂も、どちらも長生き家系である。

⑤健太くんも美穂も、どちらも遺伝子が健康体である。

⑥実家が近い。

⑦お互いの両親の気が合う。

⑧お互いの両親が良い人である。

⑨お互いの家庭に、宗教、借金等の大きな問題がない。


以上です。


私はこれほど条件の合う結婚相手を探すのは至難の技だと思っています。

それに、お互いの実家が近いので、子供が3人出来たとしても、子育てに介護と二人を補佐してあげれると思います。

また、早くに結婚すれば、私たちもまだまだ若いので、稼ぎ頭として二人の生活を補助できると思うからです。』


私が説明を終えると、三人ともまるで異論はなく、

『そんなわけで、これからもどうぞ宜しくお願いします。』

と、挨拶を交わし合っていた。


軽い感じで素っ気なかったが、話も無事に決まったので、今度は健太くんと美穂の二人の新婚生活についてのプランを打合せすることにした。




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