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遭遇・ハプニング

 なんだかんだで無事に辿り着いた祖父のお墓。念願の墓参りを終え、ムギーの小さな冒険は無事に終わる……と思いきや、神父の腕のメテオラくんが鳴きます。

 先程までの珍道中はどこへやら、フェリチタがムギーを守るように抱き締めた瞬間、神父が何者かに吹き飛ばされました。


 「神父様!!」と案じるムギーの頭上から「あー、やりすぎやりすぎ……って、うわっ!」声と共に男性が落ちてきます。

 庇っていたフェリチタをすり抜け、押し倒す形で倒れつつ、咄嗟に頭だけ庇った所為で一瞬唇同士が触れますがすぐ離れ──落ちてきた人物は「ごめんね、大丈夫だった?」と声掛けをしてくれました。

 ムギーを見て目を見張る男性に、彼女は何が何やらな状況なので「大丈夫です」としか答えられません。フェリチタは彼をポカポカ殴る素振りをするのに通り抜けています。ムギーには触れられたのに。


 一方神父はといえば、吹き飛ばされた先で金属音。両手に小型ナイフを持った青年に攻撃されていますが、どこからか出したピッチフォークで器用に防いでいました。

 ムギーを助け起こした男性が呆れ半分に「こら、お前が名乗りもせず襲い掛かったら俺がマナー違反になるでしょうが」と青年に声を掛けると、漸く攻撃を中断します。


「……ディフラ」


 呟いたきり鋭く神父を睨みつける青年をよそに、注意した男性は「悪いね、スケアホラー。見倣いにしたばっかりなんだ」と頭を軽く下げます。


「お嬢さんもごめん。俺はヘリオ」


 お辞儀を返しながら、ムギーはディフラと名乗った青年は、幼馴染のツユクサなのでは?と疑問に思います。しかし幼い頃、両親が犯罪者になった彼は親戚に預けられた為、長いこと会えなかったので確信できません。


「我等、コブンに与する13の墓守の同胞とはいえ何のご用件ですか」

「改めて同盟を結びに来た──筈だったんだけど」


 神父の質問に詳しく説明しようとヘリオは自身の見倣いを見下ろします。


「どうしちゃったの。いきなり襲い掛かっちゃってさ」

「殺せば良いんじゃないのか。アンタもコイツを消したがってたろ」

「違う違う!本名をお互い知ってるから厄介とは言ったけど、消せとは言ってないでしょうが!」


 淡々と物騒な台詞を放つディフラに慌てて彼の両肩を掴むヘリオ。どうやら何かの間違いだったのか──ほっとムギーが息を吐いた瞬間、ディフラと目が合い、殺気を感じました。

 神父が「フェリチタ!」声を荒げ、フェリチタがムギーの手を取り逃げ出します。



 逃げた先は入り組んで迷宮のようになっている薔薇園。何故墓地にこんなものがあるのかと問えば、獣避けと趣味だと返ってきました。

 逃げながら独特のステップを踏み、ムギーを巻き込み踊るような所作で隠れたフェリチタはディフラとの関係を訊きます。

 ムギーは彼の両親のこと、恨まれているとすれば何も出来なかった事ではないかと答えますが、フェリチタは一方的な逆恨みなのではないか、と言います。


 両親だけでなく彼まで悪く言われた時、ムギーは悪口は勿論、危害を加える事は何もしていない。仮に何かしていたとして、幼い頃なら大した事は出来なかった筈だと。


 どうやらムギーに肩入れしてくれているようです。何故そこまで思ってくれているのかと問えば、切なく微笑み返されます。


「さぁ、何でかしら。でもそうね、もう一度逢えた気がしたからかしら」


 ムギーの首元でテラコッタくんが震え、ディフラが現れます「──なんで」


「なんで、あの時助けてくれなかったんだ!」


 子供が駄々を捏ねるように、本人にも何がしたいのかわかっていない、自棄を起こしているようでした。今にも泣き出しそうに、しかし目は鋭く前を睨んでいます。

 その慟哭で、やはり彼はツユクサなのだと思いましたがどうしたら良いのやら。

 振り上げられたナイフが下ろされそうになった時、墓場の鐘が鳴りムギーの手に謎の筒が現れました。咄嗟に手中の形状から「今からでも間に合う?!」と何をすべきか考える間もなく彼にその筒を覗き込ませます。


 筒の正体は、万華鏡でした。


 それがなんだとキレ散らかされても仕方のない代物だし、いきなり現れたものだからどんな物かもわかっていません。ただ筒といえば天体観測が趣味な祖父の影響でムギーにとって、覗き込むものでした。

 ……ディフラは一旦止まり、何やら思い詰めた様子で何処かに駆け出しました。一旦の危機は去ったとみて、2人はスケアホラーの元へ戻ります。

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