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37話 レッツゴー

37話


 美冬先輩に隣町の外れの使われていない神社に連れてこられた俺とタカトは美冬先輩の友人妹尾朱里にぼろくそに俺たちの行動を否定されていた。


「あのそれで結局今日は何のためにここに?」


「それでお前が古河日向君か。タカトは前にも会ったことがあるけどお前は始めましてじゃん。

 ウチは妹尾朱里、美冬ちゃんの親友で同い年の中学二年、渡神中に通ってる、気軽に朱里さんって呼んでいいぞ」


 メガネの奥から見える瞳には力強さを感じる、小柄で気弱そうな見た目だけど背筋はピンと伸びていて彼女からはつよい輝きを感じることが出来た。


「古河くんさあ、何やってんの?」


「えっ、何ってどういうことですか?」


「美冬ちゃんから聞いたんだよまじで、お前は最近じゃあ好きな子にアピールするどころか、野球部に熱中していたんだろう?

 マジで何やってんの? 夏休みといえば海にでもデートに誘えば良かったろうが他にも夏祭りとか定番のデートスポットがあったろうに近所の夏祭りもう終わってんぞ、まじで! 

 おい、そこで俺は関係無いみたいな顔しているタカト! お前も以下同文だ、なんだよ『夏休み忍者っ子合宿』ってお前は生意気にも色気付いた癖になんだよ、結局修業メインじゃん!」


 朱里さんは俺たちを見上げて俺の心に確実にダメージを与えてくる、俺の心の内は今後悔の念で溢れそうだ

 もう勘弁してください、俺は海は野球部の皆と一緒に行きました、夏祭りは仲良くなったマネージャーたちと葵、タカトと一緒に行きました。

 タカトも膝をついて両手を地面に着けてから全く動いてないぞ、俺も動けない……。


「ちょっ、ちょっと言い過ぎだよ、二人がへこんでるじゃないか。

 あ、あのね、つまり、えーとだから僕がそれはいかんと思って僕は君たちに夏っぽいイベントを体験させてあげたいと思ってさ僕と朱里ちゃんで計画していた計画に参加させてあげたいんだよ。さあ、君たちにも手伝ってもらうよ」


 先輩は俺たちを優しく動けなくなっていたタカトを立たせて、朱里さんから先輩に説明する人が代わり内容も口調も俺たちにとってとても優しいもの励ますだった。


「俺たちは何が出来るんだ?」


「簡単さ胆試しだよ、僕が元々やろうと思って準備していたのを手伝ってくれ、僕が胆試しをやっているときに僕を驚かせてくれればいいんだよ。そして……」

「そしてお前らが好きな人と胆試しをしているときにウチらがおどろかせるんだ、わかったな」


「僕がまだ話してたのに……、うーごっほんごっほ、ゲホッゲホッゲホッ」

 先輩は話を聞いてもらおうと咳払いをすると本当に咳き込んでしまった。


「先輩、大丈夫ですか?」


「う、うん、それで予定日は明後日の夜七時に僕の好きな人がくるからそれまでに準備と君たちは誘わないとね、後準備は……」


 咳が収まった先輩の説明してくれた内容は簡単だった。

 よし今日から行動開始だ!

 



***************************



 俺はその日の夜に小春さんに電話をし、胆試しを一緒に行うことの承諾を得ることが出来た。


『もしもし、小春です、ヒナタ君ですか?』


「こんばんは、はい、ヒナタです」


『ヒナタ君この前の野球部の試合お疲れ様でした、私は最後まで投げきる姿に感動しました』


「えっ、僕が出場した試合を見ていてくれたんですか!?」


 まさかの幸運、真面目にやっているときに限って幸運はこっちに来るんだな、これはやっぱり日頃の行いのおかげだな!。ついつい僕って言ってしまったぜ。

 

『はい、美術部で学校に残っている時、ヒナタ君たちの頑張っている姿は泥まみれでもとても綺麗でした。

 だからヒナタ君が出るってサッカー部のマネージャーをしている子から聞いてヒナタ君たちを応援したくなってこっそり応援してたんです』


 いやー、世の中何がどうなるか分からないもんだな、俺は小春さんに見ていてもらったという喜びで、俺のヤル気が失われかけていた心は今野球の試合の時の様に熱くなっていた。


「小春さんの応援のおかげで俺は頑張れました、応援ありぎゃとうごじゃいましゅ。えぅ、っと、今度胆試しするので来ませんか?」



『行きます、はい、明後日ですね。分かりました。

 はい、それじゃあおやすみなさい』


 俺はそれに加えてお手伝いとして葵、ミコさん、郷原、志村、駒田、ゲンを誘った。

 葵は快く了解してくれた。

『ああ、良いよ。夜なら部活もないしね』


『ごめんなさい、私は幽霊とかそういうモノが苦手なの』

『すまん、ワシは宿題がそのー、『いつまで電話しているの! 宿題終わらないわよ!』 ごめん夜は外出できん』

ミコさんは胆試しの類いは嫌いらしく不参加、郷原は宿題が終わって無いので遊びに行けないので不参加。


『ねえ、それって可愛い子来る?、えーじゃあパスするわ』


志村は可愛い子がいるのか訊いてきたので勿論小春さんに会わせたくないので一人もいないといってやったので不参加。


『ごめんなさい、お兄ちゃんは塾の合宿で一週間帰ってこないよ』

『源なら今お父さんたちと電話の通じない所で山ごも、いえキャンプしているの、だから明後日までに帰ってきたら絶対伝えるわね、本当にごめんなさいね。わざわざ誘ってくれたのに……』


 駒田は勉強合宿でゲンは山籠りらしく家に居らず不参加。

 

 結局来てくれるのは葵だけか……。切ないな。


 タカトは無事にカナちゃん誘えるのだろうか、正直あいつが誘ってきた胆試しなんて俺なら本当に何されるか分からないから行きたくないな。




 

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