29話 入学
29話
俺は入学までの間師匠に時間があれば教えを受け、時間の無い日は道場で他の忍者っ子と一緒に授業を受けていた。
春休みはたびたび泊まり込みで修業を行った。
「母さん、いってきます」
俺は声を弾ませながら玄関に向かう。
「母さんも後で行くからね、浮かれて怪我しないようにね」
俺は今日は初めての登校なので小春さんが付き合ってくれるといってくれたのだ。
俺はスキップをしながら家を出た。
「おはよう、ヒナタ、君も今日から中学生になるんですよね。
これからもよろしくお願いしますね」
家を出るとそこには美の女神が俺を待っていた。
彼女の桜のように淡い桃色の髪のロングヘアーは春の桜よりも美しく、彼女の微笑みは中学生だと言うのに高校生のように大人びて見えて、俺にとって憧れの人だ。
「は、はい、こちらこそよろしくお願いします。
何だか緊張して昨日は眠れませんでした」
俺はこれから小春さんと同じ学校に通えることにワクワクしていた。 昨日は興奮して眠れなかったほどで今の俺は少し寝不足だ……。
「ヒナタは何か入りたい部活ってありますか?」
部活か出来るなら小春さんと同じ部活に入部したいけど、修業のことを考えるとむずかしいな、いやそもそも俺の柄じゃないんだよ。
「今のところ特に何か考えているわけじゃないよ。
どんな部活があるの?」
「うん、サッカーや野球、バスケットボールもありますよ。
私は美術部で運動部のことはよく分からないけどよく強いって話は聞いたことがあります」
そうだな、サッカー部を含めた運動部が厳しくて強いということは葵たちから聞いていたし、元々有名だった。
そして小春さんは美術部でコンクールで入賞するほどに絵が上手だ、
俺も芸術の才能があれば美術に入ったのに。まあ性にあわないから仕方ないか。
「あっ、それと美冬ちゃんは生徒会をやっていますよ、ときどき他校の生徒と交流したり、生徒を交換して生徒会役員が他校に通ったりしています」
美冬先輩って生徒会だったのか、格好いいな、それに他の学校に通うのか……。
「本当ですか、生徒会って面白そうなことができるんですね。」
生徒会これは良いかもしれない。
正直修業で部活に費やす時間がないし、そうしようかな。
その時俺の脳裏にある想像がよぎった。
『ふう、先生に頼まれてプリントを運ぶことになったけど大変だなあ』
『大丈夫か、俺も手伝うぜ』
『古河君、良いの?』
『遠慮すんな俺は生徒の為の生徒会役員だぜ』
『ありがとう』
『あっ、古河君が困ってる友達を助けてる、彼って優しくて素敵』
『本当だ、あいつまた人を助けてるよ。すげえ奴だよあいつは』
そしてそこに出会した小春さんが
『ヒナタって本当に優しい人なんですね ……素敵、かっこいいです』
これだ、俺はこんなことを思いついてしまう俺の頭脳が恐ろしい。
「俺、生徒会入ってみたいです」
「うん、それも良いですね。生徒会に入るのは四月に募集があるからそこで入れると思います。
ヒナタ、着きましたよ、ここが私たちの中学校です。
二人で学校に行くのって楽しいですね。小学校の時はなかなかヒナタと一緒に登校出来なかったですし。」
「えっ、はい、これこらは俺と一緒に学校にい、行きませんか?」
「うん、じゃあ明日からもよろしくお願いします。それじゃあまた後でね」
そう言うと小春さんは校舎に入っていった、俺たち一年は先にグラウンドで集まり、クラスを教えられ纏まってクラスに向かうこととなる。
「おはよう、ヒナタ君」
「おはようヒナタ」
俺がグラウンドに向かっていると後ろから髪を真っ赤に染め制服の上から赤いスカジャンを着ている少年と新品の制服をキレイに着こなしている少年に話しかけられた。
「お前、タカト? どうしたんだその髪? それにジャンパー新しくしくなってるし」
「おう、やっぱり人付き合いって第一印象が大事だから昨日染めてきた、どうだかっこいいだろ、ヒナタ君と葵君には話しても良いかと思ったんだけどやっぱりサプライズってことで黙ってたんだ。
それに、この今日からこのジャンパー着はじめたんだぞ、かっこいいだろ?」
『うわ、髪を赤くしてる人がいる、不良よきっと、中学って怖いのね』
おいおい、俺の周りにいる新入生達から勘違いされてるぞ。
『じゃあ隣の奴もなんか怖い人なのかな、あっこっち見てきた』
しまったー! 俺も勘違いされるー!
『あっでも、かっこいい人も一緒よ、赤い人できづかなかったけど』
『ほんとだ! 色も黒いしスポーツしてるのかな わたし彼と同じクラスになりたいなー』
けっ、はいはい、サッカー少年の葵さんのことですね、
まあこいつが小春さんに興味がないから何とか許せるが、こいつがもし小春さんに興味持ってたら……。
たとえ俺が小春さん一筋でも女の子にモテルやつを見てたらムカつくぜ。 ……これが親友だから許せるがな。
『おい、あれタカト様とヒナタさんじゃないか』
『マジかよ! もしやと思ってたけど同じ中学なのか、はあ、 俺たちの三年間終わったな』
はあ、俺は修業を始めて五感が前より発達して遠くの話し声も聞こえるようになった。
きっと彼らは忍者っ子だろう、俺は春休み結局忍者っ子とは友好的な上下関係しか築けなかった。 言うまでもなく俺が上だ。
俺もまさかこの中学に美冬先輩の他に忍者っ子がいるとは思ってなかったよ。




