20話 想い
20話
帰りの車の中では行きとは違いサプライズはないのでアイマスクをさせられることはなかった。
「ヒナタ、さっきからずっと黙っているけど、大丈夫?
さっき美冬さんに言われた事を考えてるの」
「うん、あらためて考えると立ち止まりそうになってな、なんか頭がもやもやしている。
俺は小春さんがいたから頑張ってこれた、でも、俺が一つのことだけでこんなに頑張れるなんて俺自身が不思議に思っているんだ」
「関係ないよ、悩む必要なんてない。
君が誰の為にどんな理由で人助けを続けてこようが関係ない。
ヒナタはこれまでずっとそれを続けてこれたんだ。どんな理由でもいいじゃないか。
もともと困った人を放って置けないのが君だ。助けたいからじゃなく放って置けないから助けてた。
だから僕は君のただ思うがままにやればいいんじゃないかと思う」
そうだな毎日、もうただ俺がやりたいからやってるんだ、ただそれだけなんだよな結局。初めは小春さんの事だけを考えてやってたけど最近じゃ無心で掃除や困った人を探している。
「そうだな、ありがとう。俺がただやりたいからやっているんだよな。
俺は自分の為にやっているんだ。それはいつだって変わらないな。
俺はこれからも掃除も人助けもやめないよ」
俺は少しやる気を取り戻してから家へと到着した。
「じゃあ、母さんランニングにいってくるね」
「いつもより早いのね、いってらしゃい」
今日はなんだか家に居ても落ち着かないので早めに一人になれるランニングをすることにした。
『……僕はね今日ずっと考えていたんだ。君が忍者の術を学ぶ理由を。
僕は君が成長しようとする理由を知っている。
僕は君を全力で応援する、その気持ちに嘘はない。
僕たち忍者の子どもは正直家業を継ぐ為に、家族がやっているからそんな理由でやっている人が多いと思う。
でも、君は一般の出身だ。でも君は風間家の神童と出会いそして超一流の忍に才能を見込まれ忍者の道に入ろうとしている。
これは普通じゃない運命なんじゃないかと僕は思うほどだよ』
俺は忍者を目指すのは小春さんがピンチの時格好良く助けるため。
俺が頑張らなきゃいけないのはカトリーヌに認められる為だ。
『小春さんの為にでしょ、でもそれだけなの? 君はぶっちゃけそれだけの為に二年生から変わろうとして長い間いろんな大変なことをしてきたね。
君は本当にそれだけの為にまだ小学二年生だった君が頑張れたの?
そして今回はそれよりもっとつらい思いをするんだよ。
はぁ、あーごめん僕の中でもうまく纏まって無いんだ。
つまり僕は君の覚悟を知りたいんだ、別にどう考えても小春さんの為って言うなら僕は何も言わないけど、他にもあるんなら君を応援する者として知りたいんだ!』
もうただやってみたいんだよ、俺はとりあえず悩んだらやってみるんことにしてんだ。
俺はやるって決めたんだ、決意したんだだからやるんだ。
「はぁ、頭がもやもやするなあ。っと、すいません」
俺は考え事に夢中で曲がり角でぶつかってしまった。
しまった、最近もここで人にぶつかってんだよ俺は、同じミスを繰り返すなんて……。
「ごめんなさいごめんなさい、なんか悩んでて周りをよく見てませんでした、本当にごめんなさい」
俺は相手を見る前に全力で謝った。俺は同じミスをしたことがとても悔しく、気をつけてさえいればぶつからずにすんだことが相手に申し訳なかった。
「古河君? あの私も周りを見てなかったからそんなに謝らないで」
この子は卒業式の夕方にぶつかってしまった子だ、そして謝ったけど許してもらえず逃げられてしまった人だ。
まさか同じ場所で同じ人にぶつかるなんて。
「また、ぶつかってしまった、前の時も本当にごめん。
反省はしてた、でも悩み事があって結局またぶつかってしまった」
「私、前の時も今も怒っていないので気にしないでください。
誰だって悩み事はあります、しかたありませんよ
もし良ければ悩み事を話してくれませんかもしかしたら話すだけでも楽になるかも知れませんよ」
なんだこの人ぶつかった人の悩みを聞いてくれるなんていい人なんだろう。
もしかしたらこの人に相談すればこのもやもやなくなるのかな。
不思議とこの人になら大丈夫な気がした。
「ありがとうございます、それじゃあ……」
俺たちは近くの公園のベンチに移動し、悩み事を打ち明けた
「初めは好きな子に見栄を張った事を本当にするために人助けを始めたんだ、でもその行動は周りから聞くとその前からしていたらしいんだ。
俺は長い間それを続けて今新しい事を始めようとしているけど、今新しいことを始めようとする気持ちはすべてが好きな子の為なのかと聞かれて分からなくなったんだ、それに気づくと体の勢いがなくなったような気がするんだ。
俺は今誰の為に何をすれば良いのかに悩んでているのかな。
友達は思うままにすればいいと言ってた」
名前も知らない彼女は俺の下手くそな説明を真剣に聞いてくれていた。 俺は少し楽になった気がする。
彼女が答えるのはしばらく経ってからだった。




