第27話:偽りの仮面と、工作員の冷笑
「エド……! お前、何をしてるんだ!? どういうことだ……なぜ俺たちを裏切ったっ!!」
ゼットの怒号が大空洞に響き渡る。
だが、エドは暗がりの中で懐から一本の【漆黒の毒塗りの短剣】を静かに抜き放つと、心底おかしそうに鼻で笑った。
「くくっ……どういうことも何も、言葉通りの意味だよ大剣使い。……俺は最初から、魔王軍の一員だったのさ」
「なに……!? 魔王軍の……一員……!?」
絶句するゼットとバッシュを見下ろしながら、エドは冷酷な嘲笑を深めた。
「お前たちがセレスティアの村を出た時からさ。俺は魔王軍、魔王の命を受けてお前たちを監視し、こうして逃げ場のない死地へ誘導する『工作員』として潜入していたんだよ」
「そんな……嘘だろ……!? エド、お前……クロードが死んだ時、あんなに一緒に悲しんでくれたじゃないか! 俺たちの背中を支えてくれるって言ったじゃないか!!」
バッシュの声がショックで激しく震える。手渡された水袋、掛けられた優しい言葉、共闘した日々——その全てが偽りだったという現実を受け入れられず、バッシュは足元をふらつかせた。
「ハッ、演技に決まってんだろバカが! クロードとかいうクソガキが勝手に自爆してくれた時は、裏で腹抱えて笑ったぜ? 厄介な障害が減ってラッキーだってな!」
「お前ぇぇぇっ……!!」
怒りに目を血走らせたゼットが大剣を振りかざして飛びかかろうとする。
エドはあらかじめ仕掛けていた足元のスイッチを踏みつけ、天井から『魔力封印の鉄輪罠』を落下させた!
ガシャンッ……!!
「くっ……!? 魔力を封じる罠か……っ!?」
重い鉄輪がゼットの腕や身体に絡みつき、地面へ縫い付ける。
だが——仲間を愚弄されたゼットの怒りは、仕掛けられた罠の限界を遥かに超えていた。
「ふざけた真似してんじゃねぇぞ、裏切り者がぁぁぁぁっっっ!!!!」
おおおぉぉぉっ!!とゼットの全身から爆発的な闘気が噴き出した。
身体に巻きついた封印の鉄輪がメキメキと音を立て、ゼットの覚醒した圧倒的な腕力によって一瞬で粉々に砕け散った!
「なっ……!? 封印の罠を力任せに破壊しただと!?」
驚愕するエドに向かって、ゼットは大剣を構えて突き進む!
ショックから立ち直ったバッシュもまた、鋭い眼光を取り戻して剣を抜き、ゼットと共にエドへ襲いかかった!
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