第17話:欠けた穴と、歩み出す一歩
アルカディアからさらに北上した先にある、古代の巨石構造物が立ち並ぶ『迷宮都市ガルード』。
石造りの重厚な建物が立ち並ぶ街の宿屋の一室で、バッシュたちはテーブルの上に羊皮紙の地図を広げ、今後の旅の進め方について話し合っていた。
「……ふぅ。クロードがいて、クルルがいた頃は、魔物の索敵も攻撃魔法のサポートも完璧だったんだよな」
ゼットが椅子に深く腰掛け、両手を頭の後ろで組みながら天井を見上げた。
「そうですね……。クロードの的確な指示や、クルルちゃんの凄まじい攻撃魔法……二人とも、本当に頼りになっていました」
エリスも寂しそうに目を細め、胸元の聖印に触れる。
前衛と後衛、そして戦術の要を担っていた二人を失った穴の大きさを、残された四人は改めて噛み締めていた。
「まあまあ、そう落ち込むなって」
エドが湯気の立つ温かいハーブティーを全員のコップに注ぎながら、いつもの陽気な笑みを浮かべた。
「確かに二人が抜けちゃって、俺たちパーティーの人数は減っちまった。だが、落ち込んで立ち止まってちゃ始まらないだろ? これから新しい仲間を探すにしても、まずは俺たち四人の連携を完璧にして、もっと強くならなきゃな」
「エドの言う通りだ」
バッシュが身を起こし、まっすぐな目で仲間たちを見つめた。
「俺たちが弱いまんまじゃ、新しい仲間を迎えることも、魔王軍の過激派(武闘派)と戦うこともできない。……まずはこのガルードの町で冒険者ギルドの依頼を引き受けて、俺たちの連携を鍛え直そう!」
「おう! そうと決まれば、さっそくギルドに行ってでかい依頼を引き受けに行こうぜ!」
ゼットがニッと野性味のある拳を握りしめる。
「はい! 私も、もっと強力な回復魔法や支援魔法が使えるように頑張ります!」
エリスも決意を新たに強く頷いた。
「へへ、頼もしいねぇ。索敵や罠解除、雑用は全部この俺に任せておけって!」
エドも頼もしく自分の胸を叩いてみせる。
悲しみを乗り越え、四人となった勇者一行は、互いに手を取り合い、さらなる成長を目指して最初の依頼へと足を踏み出すのだった——。
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