第2話「隣に立ってみたら、そこだけ安全地帯だった」
第2話「隣に立ってみたら、そこだけ安全地帯だった」
朝。
窓から空を見る。快晴だ。
外に出ると、麗子さんが立っていた。
微動だにしない。
たぶん、何かしている。
「麗子さん、おはよう」
「・・・おはようございます」
「何してるんですか?」
「・・・風です」
「へぇ」
よく分からない。
たぶん大丈夫だと思う。
隣に立つ。
何も起きない。
風も、来ない。
「・・・なるほど」
麗子さんが頷く。
「安全です」
「よかった」
安全なら、良いと思う。
理由は分からない。
歩き出す。
麗子さんも、ついてくる。
これも、よくある。
コンビニに入る。
僕はコロッケを買う。
麗子さんは店内を1周する。
2週。
3周目に入る。
「何か探してるんですか?」
「安全です」
「そっか」
ここも安全らしい。
安心だ。
***
外に出る。
「水、いります?」
「・・・・・・はい」
麗子さんは、ペットボトルをじっと見ている。
あらゆる角度から。
振る。
回す。
光にかざす。
匂いをかぐ。
すごい。
僕はもう半分くらい飲んでいる。
「問題ありません」
「よかった」
飲む。
ちょっとだけ、嬉しそうに見えた。
***
帰り道。
ふと前を見る。
ゴミ捨て場。
人が集まっている。
手を合わせてる。
昨日より、増えてる。
「・・・何してるんですかね」
「・・・分かりません」
本当に分からないみたいだった。
しばらく歩く。
コロッケを、食べ終わる。
今日も良い天気で、平和だ。




