表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界秘境キャンプ旅~キャンプオタクが失われた錬金術で快適生活。もふもふな守護猫タイガと巡る絶景と飯テロの旅~  作者: るあか
第一章 旅の決意

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/23

第9話 出航

※お知らせ

序盤(1〜5話)を改稿・再構成したため、話数が変更になっています。

内容自体は大きく変わっていませんので、そのまま読み進めていただいて大丈夫です。

 採掘を終えた俺たちは、麻袋を抱えて洞窟を抜けた。

 砂浜を歩いて桟橋へと向かう。


「おう、お疲れさん。今ちょうど整備が終わったところだ。で、レンとタイガはどこまで送ってやれば良いんだ?」

 ビリーが船から降りて、笑顔で出迎えてくれる。


 どこまで送るって……俺だけみんなとは違う故郷にでも送ってくれるつもりだったのか……? ビリー、人が良すぎるだろ……。


「レンとタイガは『ヴェルーナ』の冒険者ギルドに用事があるらしいから、このままヴェルーナに引き返してもらえば問題ねぇ」

 マイクがそう言うと、ビリーは短く「了解!」と返事をした。俺もすぐに「お願いします」と頭を下げる。


 ヴェルーナ……それが、俺が今から行く町の名前か。

 どんなところなんだろう?

 

 気になるけれど、彼らにはあえて聞かないでおこうと思った。

 だって、変な想像をするよりこの目で見た方が――きっと良い。


「じゃあ、全員船に乗り込んで出航の準備、手伝えよー」

 ビリーの一声で、マイクたちは麻袋を抱えたまま「はいよー」と船に乗り込んでいく。

 

「あっ、はい!」

 タイガを肩に乗せた状態の俺も、麻袋を抱えて慌てて船に乗り込もうとする。


「うおっとっと……と!」

 船から桟橋にかけられた板がグラッと揺れ、落ちそうになるところをなんとか耐える。

 ふぅ、危ない……。


「おおぉ、大丈夫かい、レン?」

 ボブがそう言って俺の麻袋を受け取って船へと積み込み、俺の腕をグイッと引っ張ってくれた。

「す、すいません……俺、船、初めてで……」


「船が初めて……!? んじゃあ、どーやって漂流したの……」

 ボブは目を丸くした。

 た、確かに……!?


「えっと、実を言うと、よく、覚えてなくて……」

 俺のその苦し紛れの一言のせいで、彼らにめちゃくちゃ心配される羽目になった。

 

 しかし、俺が元気で前向きだと言うこともあり、最終的には〝ニホンというド田舎のちょっと記憶喪失の青年〟で話が落ち着いた。


 彼らの心配から解放されたところで、改めて自分の乗り込んだ帆船を見渡してみる。

 

 歩くとギシギシと音の鳴る木製の船。

 2本の背の高い柱があって、真っ白な帆が畳んである。

 奥には扉があった。向こうは部屋になってるのか……。


 そして一番驚いたのは――

「縄、多くね……!?」

 柱から無数の縄が張り巡らされている。帆船って、こういう感じなのか……。

 

 勝手に甲板、帆だけで走っているのかと思っていたけど、実際には見渡す限り、縄だった。


「うん、紐がいっぱいだぁ♪」

 タイガもそう言って俺の肩からぴょんと飛び降りて、甲板をウロウロ歩き回っていた。


 そんな俺たちを、向こうで作業をしていたビリーが笑う。

「だはは! おもしれぇ反応だな、レン。ほら、出航してからいくらでも歩き回ってくれればいいからよ、今はその鉱石、タルに入れてそこの縄に括り付けろ」


「あっ、はい、すみません……!」

 隣でボブも同じことをしているようだったので、見よう見まねでタルを縛った。

 

 上空でバサッと大きな音がしたため顔を上げると、大きな帆が空を覆っていた。

 船体がわずかに傾き、風を受けた帆が大きく膨らむ。

「おぉぉ、すげぇ……」

 帆船だという実感が湧いてきて、思わずはにかんだ。


「じゃ、(いかり)、上げていいぞー」

 いつの間にか船の奥の方にいたビリーからそう掛け声がかかる。

 

 マイクたちは「おうよ!」「はーい」と返事をしながら「わっせ、ほいせ」と海から縄を引き上げていた。

 横から興味津々に眺めていると、大きな錨が顔を出す。すげぇ、すげぇ、本物だ……!


「よし、出航!」

 ビリーがそう声を上げて大きなハンドルを回す。


 ザザンと波の音が聞こえ――

 

 ――船は、滑るようにゆっくりと動き出した。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ