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異世界秘境キャンプ旅~キャンプオタクが失われた錬金術で快適生活。もふもふな守護猫タイガと巡る絶景と飯テロの旅~  作者: るあか
第三章 エルフの里の依頼

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第33話 報酬

 エルフの里にある里長の家で、大ばば様が口を開く。

「レンさん。改めまして、聖なる泉の毒を浄化してくださり、ありがとうございました。キルウェンの冒険者ギルドに提出した『聖なる泉の浄化』の緊急依頼ですが、今ここに達成されたことを、サインしました」


 大ばば様が、依頼人のところに直筆のサインをくれた。

 俺はそれを確認すると、「ありがとうございます」と言って依頼書を受け取った。


「それで、その……報酬なのですが――本当に、こんなことでよろしかったのでしょうか……? わたくしどもも、少しであれば金銭の蓄えもあります。せめて、そちらもお付けした方が――」


 そう言いかけた大ばば様に、俺は大きく反対の意を示した。

「良いんです。俺は金を稼いで贅沢がしたいんじゃありません。ポワゾン討伐でも、里の資金をかなり使ってしまったと聞いています。更にその後に、お金は受け取れません。それに――本来、妖精の聖域は、この里の者以外が勝手に入ってはいけないんですよね?」


「まぁ、シエラ、余計なことを話しましたね……」

 大ばば様がシエラにチラッと視線を送ると、シエラは「こやつが聞き上手じゃったゆえ、ついのう……」と苦い顔をしていた。


 大ばば様ははぁっとため息をつき、こう続けた。

「そうですね。レンさんの言う通り、普段は里の者のみで管理しておりますので、他の方は許可なく妖精の聖域へ立ち入ることはできません」


「でしたら、この報酬は妥当だと思います――本来の姿に戻った妖精の聖域の、一日貸し切り権。俺とタイガにとって、めちゃくちゃ価値のある報酬です」

 俺は自信を持って、そう言い切った。

 

 タイガも嬉しそうにこう続く。

「そうだよ! あの泉って、本当はすごく綺麗なんだろ? ボクたち、綺麗なところでキャンプしまくる旅してるんだ!」


「大ばば様。どうやらこやつらの旅の目的と合致しておるようじゃし、ワシはこやつらの提案に甘えてしまっても良いと思うが……」

 そう言うシエラに、俺とタイガもうんうんとうなずいた。


 大ばば様は、優しく微笑む。

「……分かりました。レンさん、本当にありがとうございます。緊急依頼のギルドへの報告はいつでも構いませんが、妖精の聖域が本来の姿を取り戻すのは、数日先になるかと思います。なにとぞ、ご了承ください」


「分かりました。それなら、妖精の聖域が元に戻るまで、キルウェンで他の依頼でも探すか」

 タイガも「そうだな」と相槌を打つ。


 すると、シエラがこう提案してきた。

「それなら、ワシがキルウェンの町を案内しよう。あの報酬で納得してくれたお主たちへの、せめてものお礼じゃ。依頼だってワシに力になれることがあれば手伝うぞ」


「マジか。案内は助かるな……。それに、魔道士がいれば、普段引き受けられない依頼も受けられそうだ」

「うむ。決定じゃな。思い切ってワシも冒険者登録をするとしよう」


「シエラ。あなた、本当は、冒険者登録をしたいだけなのではないですか……?」

 大ばば様が冷ややかな視線を送ると、シエラは「ぐぬぬ、そ、それは……!」と視線を泳がせた。


「ははは。シエラが冒険者ギルドに興味があるなら、俺らもちょうどいいよ。ちょっとだけ先輩だから、色々教えてやれるし」


 こうして、泉の浄化を無事終えた俺たちは、報酬を受け取るまでの間、キルウェンの町で過ごすこととなった。

 俺とシエラは、虎になったタイガにまたがると、キルウェンの町を目指して全力疾走した。


「あははっ! タイガ、すごいのう、速いのう! このまま直進じゃ、進めー!」

「おっけー♪」


「ちょ、木、ぶつかるって! ぎゃあぁぁっ! そんな全力疾走しなくたっていいだろ!? もっとゆっくり行ってくれ~……」


 森の中に開けた町が見えてくる頃。

 俺は一歩も歩いていないのに、なぜか疲れ切っていた。

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