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異世界秘境キャンプ旅~キャンプオタクが失われた錬金術で快適生活。もふもふな守護猫タイガと巡る絶景と飯テロの旅~  作者: るあか
第二章 冒険者ギルド

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第22話 山頂を目指して

 それから数日、俺たちは様々な依頼をこなした。

 定番の採取から、魔物討伐。

 腰の悪いおばあさんの、墓参りの付き添い……本当に色々やった。


 浜の横穴で料理の修業もたくさんした。

 かなり貯金も貯まったので、銀行口座を開設。

 

 成形錬金術で、冒険者証や銀行証、通貨をまとめて入れられる『財布』も作った。

 今まで金は腰の布袋に入れているだけだったから、ウエストポーチなんかも作ってみた。


 更に、以前は高くて買えなかった『素材図鑑』も買うことができた。おまけに『食材図鑑』も。

 

 どこにどんな素材や食材が生えているか。

 どこにどんな素材を落とす魔物が生息しているのか。

 これが分かるようになったのは大きい。


 そして、料理器具も錬金術で作ったり、店で買ったりと片っ端から揃えた。

 全部がすっぽりと収まってしまう収縮リュックは最強だ。


「よし、タイガ。ヴェルーナの町、出発するぞ」

「うん、またいつか来ようね」

「だな」


 宿屋を出ると、そこには見慣れた顔ぶれが集まっていた。

「マイクさん、ボブさん、ビリーさん!」


「おっ、来たぜ!」

「久しぶりだね~、レン、タイガ」

「わーい、みんな久しぶり~♪」

 タイガも嬉しそうだ。

 

「昨日会った時、『明日出発します』つってただろ? だから、こいつらにも声をかけたんだ」

 ビリーが言う。

 彼とは港でちょくちょく会っていたので、そろそろ次の町へ向かうことを話していたんだ。


「そんな、すみません。俺たちのために、わざわざ……」


 マイクとボブに近況報告をしつつ、くだらない話で盛り上がる。

 そして――


「では、そろそろ行きますね」


「おうよ、気を付けていってこい!」

「行ってらっしゃい~」

「またこっち来たら港ぶらつけよ。多分俺いるから!」


「はい、必ず! 皆さんもお元気で~」

「ばいば~い!」


 3人のおじさんに背を向けて、町の北門を目指す。

 

 すると、北門の前には、更に別の3人も待っていた――


「レンさーん!」

「まだ出発してなかったんだな」

「間に合って良かったよ♪」


「アイシャさん、トムさん、コリンさん!」

「わーい、アイシャ隊だ~!」


「今日出発って、言ってたものね」

「こんなリュック一つで山を越えるだか? 大丈夫だか?」

「本当に馬車を使わずに行くの? なんなら、僕今から馬車、手配してあげよっか?」


「あはは、ご心配ありがとうございます。多分、大丈夫だと思います……」


 ここでもまた、くだらない会話で盛り上がる。

 そして――


 彼女らとも別れを告げて、北門から町の外へと出る。

 ヴェルーナの町を振り返ると、アイシャたちがまだ手を振ってくれていた。

 

 次々に出発していく馬車を見送りながら、街道を歩く。


 街道に出ても、しばらくは露店が広がっていて賑やかだった。

 馬車のガタゴトという音に混じって、店主の呼び込みの声が聞こえてくる。


「ヴェルーナの町、めちゃくちゃ良い町だったよな……」

「うん。お料理は美味しいし、宿のお風呂は気持ちいいし、優しい人がたくさんだった!」


「キルウェンは大森林の中にあるんだよな」

「どんなところかな? 楽しみだな♪」


「おう。まずは、山頂を目指すぞ!」

「山頂キャンプだ~!」

 

 ◇


 街道をのんびり歩いていると、だんだんと風景がのどかになっていく。

 向こうには岩山の影が見えてくる。


 道が岩に変わってきたところで、『レガメ山道』の立て札が。

「ここが、目的のレガメ山か」

「レン。疲れたら僕の背中に乗せてあげるからね」


「ありがとな。山頂の分かれ道までは魔物も出ないらしいし、そこまでは頑張って歩こうかな」

「分かった!」


 何台もの馬車に追い抜かれながら、緩やかな坂を登っていく。

 だんだんと標高が高くなってくるにつれて、俺のワクワクも高まっていった。


 中腹辺りで『グレンティナ大森林→』『↑レガメ山 山頂』という2つの立て札を見つける。

 グレンティナ大森林というのが、キルウェンのある森だ。


 俺たちはひとまず山頂だ。

 そこからは魔物がポツポツ姿を現したので、タイガに先導をお願いした。

 虎になったタイガは、相変わらず、ちょっとじゃれているだけなのに無双状態だ。


 途中、携帯女神像を置いて、昼休憩。

 ヴェルーナの屋台で買ったホットサンドとコーヒーをいただく。

 タイガはピーチジュースだ。

 

 疲れたらタイガの背中に乗せてもらおうとも思っていたけど、なんとか自力で登れていた。

 ずっとインドア派だったけど、ここんところ動いてばかりだったもんな。

 ちょっとは体力がついたのかも。


 山頂に近づくと風と共に少し雲が出てきて、視界が悪くなってくる。


 日も暮れる頃――


 『山頂』の立て札のある、開けた場所へと到着した。

 そこには、見渡す限りの橙色の雲海が広がっていた。

 

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