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異世界秘境キャンプ旅~キャンプオタクが失われた錬金術で快適生活。もふもふな守護猫タイガと巡る絶景と飯テロの旅~  作者: るあか
第二章 冒険者ギルド

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17/22

第17話 水の都での充実した一日

 翌朝、宿屋の外には朝からコーヒーの良い匂いが漂っていた。

 犯人は近くの屋台か。

 

 その匂いに誘われるように屋台に向かうと、更に焼き立てのパンの香りまで俺の鼻をくすぐった。

 朝食にホットサンドとコーヒーを購入。


 パスタといい、パンといい、炭水化物が取れることに喜びを感じる。

 パスタは乾麺もあるし、保存もきいてキャンプに良さそうだ。


 ちなみに、初めてコーヒーを飲んだタイガの感想は――

「うぇっ、にがっ、ペッペッ!」

 だった。


 そして、午前中は冒険者ギルドの納品依頼をこなす。

 依頼の受注、採取、納品の流れにも結構慣れてきた。

 

 午後からは――買い物だ。


 ◇


 まず俺は一目散に雑貨屋に行って、時計を買った。

 実はずっと欲しいと思ってたんだ。

 太陽の位置を見て時間の想像をするのも、いい加減疲れてきたしな。


「ボク、ボクみたいな絵が付いてるこれがいいー!」

 タイガが店内で大声でそう言うもんだから――


 フタに猫のシルエットが彫られている懐中時計を買う羽目になった。

 まぁ、シルエットなところが可愛すぎず、シックでかっこいいから結構気に入っている。


 次に向かったのは――本屋。


 もちろん買ったのは『ヴェルーナ料理レシピ』だ。

 本当は『素材図鑑』も買いたかったけれど、さすがに図鑑類は高いな……。

 図鑑はもうちょい金を貯めてからだ。


 それにしても、『魔道書』が並んでたの、普通に気になるな……。

 冒険者ギルドのロビーでは、ローブを羽織って杖を持っている人をちょくちょく見かける。

 

 人の暮らしは結構アナログだけど、この世界には魔法ってのも存在してはいるんだな。

 

 本屋を後にし、大通りのベンチに腰掛けて休憩。

 当たり前のようにタイガが膝に乗ってくる。

 タイガの定位置は、俺の肩か、膝の上。


 そして、絵本の読み聞かせでもするかのように、レシピ本を開いた。

「あーっ、これ、昨日ボクが食べたやつ!」

 

 タイガは魚の香草焼きのイラストを見て、なぜかクンクンと匂いを嗅いでいた。

 そして、すぐに「あれ?」とイラストを凝視する。


 俺は思わず噴き出した。

「何してんだタイガ。匂いはしないだろ?」

「おっかしいなぁ……昨日マスターが作ってくれたやつは、あんなに良い匂いがしてたのに……」

 首を傾げるタイガ。


 どうしよう……可愛いから、このままにしておきたい……。

 とは思ったが、一応ちゃんと『絵』というものの説明はしておいた。


「あった、『ペペロンチーノ』だ。昨日マスターが説明してくれたんだよな」

「ボク覚えてるよ! 〝おりーばおいる〟とニンニクと唐辛子で炒めただけの簡単なパスタだって、マスター言ってた! 酒場のやつはマスター特製だから色んな具材が入ってんだ♪」

 

「そうそう、よくそんなこと覚えてたな。あと、オリーブオイルな。さっき、『オリーブの実』の採取依頼やっただろ? あれが油になるんだ」

「あーっ、そうだ。オリーブオイルだ! えへへ♪」

 間違えたのになぜか楽しそうなタイガ。俺も楽しいよ、まったく。


 一通りヴェルーナ料理を確認した俺は、休憩を終えて市場へと向かった。


 水路沿いにずらりと屋台が並び、活気に満ちている。

 カゴいっぱいの野菜や果物、木箱に並べられた魚。

 店主たちの呼び込みの声が飛び交い、香草のいい香りが漂っていた。

 

「わぁ~っ、色んな〝草〟がたくさん売ってるなぁ♪」

「野菜な。えっと、欲しいのは――」

 

 カゴいっぱいに山積みにされたニンニクと唐辛子、乾麺のパスタを一束買った。

 ついでに市場にあった屋台で『ピーチジュース』をタイガ用に購入。

 

「なんだこれ~! 甘くて美味い!」

 タイガは俺の肩に座り、両手で器用に木製カップを抱えてゴクゴクと飲んでいた。

 こういうところ、猫より人間っぽいんだよな……。


 ◇


 今度は港に向かうため、ゴンドラを捕まえた。

「すいません! ヴェルーナ港までお願いしま――あっ、昨日の!」

 

「おっ、昨日の猫連れの! ヴェルーナ港だな。さぁ、乗った乗った!」

「はい、お願いします!」

 

 捕まえたゴンドラの船頭は、たまたま昨日と同じ魚人族の人だった。

 そのため、自然と会話が盛り上がる。

 

 この町や港では、水路や海に釣り糸を垂らしている人を見かける。

 どうやら、町の中でも私有地でなければ自由に釣りをしていいらしい。

 

 そんな有益な情報を得た俺は、ゴンドラを降り、港の釣具屋へと向かった。

 なるべくコンパクトに縮められる釣り竿を買う。


 そして、港の隅で釣り糸を垂らしてのほほんとしていると、聞き覚えのあるおじさんの声が聞こえてきた。

「おっ、レンとタイガじゃねぇか! 早速やってんなぁ、釣り! 冒険者ギルドには登録できたのかよ!」


「ビリーさん!」

「あっ、ビリーだ!」

 

 声をかけてくれたのは、昨日世話になった船乗りのビリーだった。

 なぜかビリーまで隣で釣りを始めたので、俺たちは昨日別れた後の近況報告をしていた。


「わかるぜ。あそこのマスターはダチだからよ。俺も行きつけなんだ。うめぇよな、あそこ」

「お友だちでしたか……! はい、それに、マスターからも色々教えてもらいました」

 

 あっという間に時間が流れていく。

 懐中時計を確認すると16時を回っていたので、魚を2匹だけ釣ったところでビリーとは解散になった。


 ◇


 なんだか今日は、ヴェルーナという町を満喫した一日だった。

 でも、お楽しみはまだまだこれからだぞ?

 

 俺とタイガは、ヴェルーナの町を通ってヴェルーナ浜に行き、例の横穴へと向かった。

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