表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界秘境キャンプ旅~キャンプオタクが失われた錬金術で快適生活。もふもふな守護猫タイガと巡る絶景と飯テロの旅~  作者: るあか
第二章 冒険者ギルド

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/24

第16話 料理への興味

 隣の酒場は、木製のカウンターや丸いテーブルが並んでいる、想像通りのところだった。

 テーマパークとかのレストランにも、こういう酒場をモチーフにしたところ、あるよな。


 少し薄暗い――でも、温かい光に照らされてロマンチックな雰囲気だ。

 今まで建物の中なんて、蛍光灯やLEDライトが当たり前の生活だった。

 しかし今では、本物の火の明かりのとりこになっている。


 タイガと一緒にカウンターへと腰掛けた。

 すぐに、マスターらしき人が対応してくれる。


「いらっしゃい。ほら、メニューだ」

「ありがとうございます!」


 まず初めに値段に目がいってしまう。

 良かった。ここも宿屋と同じで、良心的な値段で飯が食える。


 冒険者という職業が、あちこち旅をしながら十分に生きていける職業だと分かった。

 鉄鉱石の3400Gも、初めは多いのか少ないのかが分からなかったけれど、今思えば十分すぎる額だったと言える。


 『本日のマスターおすすめセット』は――


 『ペスカトーレ』

 『ヴェルーナダイの香草焼き』

 『魚介スープ』


 か……。


 ペスカトーレってなんだっけ……。聞いたことはあるな……。

 おすすめの下にある、通常のメニューの『アクアパッツァ』とか『ペペロンチーノ』はよく聞く。

 でもアクアパッツァは正直なんなのかはよく知らない。

 

 更にその下の『アーリオ・オーリオ』に至っては、俺には未知の領域だ……。


 よし、決めた!


「本日のマスターおすすめセットでお願いします」

「はいよぉ!」


 ここは、おすすめを食ってみるに限るな。うん、そうに違いない。

 それに、ヴェルーナダイはビリーたちとの船上海鮮バーベキューで食ってるし、美味いのも知ってる。


 ワクワクそわそわしながらマスターを眺める。

 すぐに、ジュウジュウと音がしてくる。

 それと同時に漂ってくる香ばしい香りに、俺は思わずカウンターから身を乗り出した。


「もう美味そうな匂いが……ニンニクか?」

 タイガも「本当だ~。美味そうだ~」とカウンターの上でくんくんと鼻を動かした。


「はっはっは。料理の作り甲斐のある反応だな! おう、今は『オリーブオイル』でニンニクを炒めてるぞ」

「オリーブオイル……!」

 俺の中で何かがはじける。

 今後、キャンプで炒めたりしたいんなら、油は絶対あった方がいい。


 しばらくすると、トマトの甘酸っぱい香りと、魚介の香りが混ざり合った湯気がふわりと立ち上がった。

 グツグツ……グツグツ……。

 美味そうなトマトソースが煮立っている。


 貝殻が開き、魚の身がほろりと崩れ、海の香りがふわっと鼻をくすぐった。

 

 ペスカトーレって、トマトソースの海鮮パスタか!

 ニンニクと魚介の香りがすげぇ……!


 更に、マスターは石窯でも何かを作っていた。

 そっちからはハーブっぽい匂いが漂ってくる。

 時折鍋もかき混ぜている。

 すげぇ、全部同時にやってる……。料理って、こういうものなのか……。


 ――やがて。


「はい、お待ち! 本日のマスターおすすめセットだ」

 アツアツの料理が目の前に置かれる。

 真っ赤なトマトソースに、貝や魚がごろごろ入っている。

 ほわっと、湯気が昇っていった。

 

「いただきます!」

「いっただきまーす!」

 俺はペスカトーレを、タイガはヴェルーナダイの香草焼きを一口食べる。


 ――そして。


「「うま~っ!」」

 同時にそう叫んだ。


 更に魚介スープを飲むと――


 あっ、このコンソメスープっぽい感じ……!

 これ、俺が廃村で偶然作れたコンソメスープもどきと似たような味だ。

 もちろん、マスターの作ったスープの方が何倍も深みがあるんだけれど。


「スープもめちゃくちゃ美味いっす!」

 俺がそう言うと、マスターは満足そうに「ありがとうよ!」と笑った。


「この魚介スープな。『グルム草』っていう料理向け魔草を隠し味に使ってんだよ」

 グルム草……! マジか、俺もあの時スープの中に入れてたわ!

 確か、先がクルクル巻いた草だ。

 

「そうなんですね! 俺も前に適当にスープを作った時に入れました、グルム草!」

「おぉ、そうか! あの魔草に目をつけるとは、なかなかセンスがあるじゃないか!」

 

 マスターはメニューにあった他の料理もどんなものかを説明してくれた。

 そして、興味があるなら町の本屋に行けば『料理本』もあるぞ、とのこと。


 マスターと料理の話で盛り上がりつつ、あっという間に完食。

 代金を支払って、酒場を後にした。


 ◇


 今日食ったペスカトーレは、自分で作るのにはちょっとハードルが高そうだった。

 でも、マスターに聞いた限りでは、俺にもできそうな料理がちょいちょいあった。


 明日、早速本屋に行ってみよう。

 山頂でマスターのように華麗に料理をしている自分を想像して、はにかむ。


 腹も心も満たされたところで、宿屋の自室へと戻った。

 マッチでランタンに火をつける。

 

 ぼんやりと優しい光を放つランタンを出窓に置くと、まるでおとぎ話の主人公にでもなったかのような風情を感じた。

 

 キャンプでは焚き火ばかりしていたけど、このランタンをテーブルに置くのも雰囲気が出そうだよな。

 そんなことを考えながらベッドに潜る。

 

 ふかふかな寝心地に、あっという間に寝落ちしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ