8/74
はじまり8
ただ、声だけは出すことができた。
今自分は痛みに耐えられず、無様に声を上げている。
そんな状態が、どれほど続いたのかわからない。
体感的には1年にも10年にも感じた。
勇者を肉団子にしてから1日後、魔王は、勇者を魔王の間に連れてこさせた。
魔王は指を鳴らすと、肉団子がほどけ、ぐったりとした勇者が姿を現す。
「女神の信仰を捨てる気にはなったかね」
「……ッ」
勇者は痛みに歯を食いしばりながら、弱弱しく首を左右に振った。
「まったく、本当に強情だな、お前らは」
勇者は、魔王をにらむ。
「捨てれば良いのだ、そんな信仰、そうすれば、貴様らにこんなことをしなくても済むというに、なぜわからん、もう信仰を捨て、死んだ方が楽であろうに」
「……」
猿ぐつわははめ、不細工な息を吐き出しながらも、勇者は魔王を睨み続けた。
「…もう良い、次だ」
勇者は魔物に引きずられ、部屋を後にする、そして独房に戻る途中で、同じように魔物に引きずられる魔法使いとすれ違った。
(魔法使いまで…俺は…こんなにも弱かったのか)
~~~~~~~~~




