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はじまり6

光のドームに包まれる魔王。


 やがて光がなくなる。


 同時、着地する勇者。


「……くそ」


 着地と同時に、顔を歪めた。


 そこには、傷つき、口の端から血を流しながらも、直立する魔王の姿があった。



~~~~


30分後


「思いのほか手こずったな、さすがは勇者一行といったところか」


 衣服や体についた傷に顔をしかめながらも、魔王は満足気に足元に倒れる勇者一行を見つめた。


「……く」


「ちくちぉおお…」


「はぁ…はぁ…」


「化け物め…」


 魔力をすべて使い果たし、立ち上がる体力も奪われた勇者たち、しかし皆、息がある。


「まだ喋れるのだから大したものだよ」


 魔王はそう言いながら、指を鳴らした。


 魔王の間に魔物がぞろぞろと入ってくる。


「連れて行け」


「はっ」


 勇者一行は魔族に乱暴に引きずられながら、荒れ果てた魔王の間を後にした。




 勇者に選ばれたものに与えられる女神の加護。


 この加護を受けた人間は、人としての限界を超える体力と魔力を得ることができる。


 そして勇者は、制約はあれど、この加護を仲間にも与えることができ、それにより勇者の仲間は、勇者と変わらぬ力を得ることができる。


 また、女神の加護を受けたことによる最たる効力として不死がある。


 どんな方法で殺そうと、加護を受けたものの死体はその場に残ることはなく、契約を交わした教会へ全快の状態で転移される。


 つまり女神の加護を受けた者は、高い戦闘能力に加え、何度死のうがその戦闘の経験値を引き継いだまま生き返り、戦い続けることができるという、一般の人間や魔族と比べても圧倒的なアドバンテージを有するのである。


 それは、魔王にとっても脅威であり、勇者一行にとっては十分すぎる保健となっていた。


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