土を掘るそして女子高生を探す 6
層番号、A-23。
掘削開始時点で、構造が安定している。
「人工構造密度、高」
だが、これまでの層とは違う。
均一だ。
土ではない。
整えられた層。
スコップを入れると、すぐに建材が出る。
規則的に積まれている。
発展した文明の特徴だ。
「高発展層と判断」
掘り進める。
すぐに空間が出る。
室内構造。
広い。
これまでより明らかに余裕がある。
空間設計に無駄がない。
しかし——
分かれる。
通路の左右で、状態が違う。
一方は広い空間。
整っている。
装飾がある。
もう一方は狭い。
暗い。
最低限の構造だけ。
「格差構造、確認」
記録する。
さらに掘る。
人間が出る。
だが、状態が違う。
明らかに栄養状態が異なる。
一部は肥満傾向。
一部は極度の痩せ。
同じ空間にいるが、状態が違う。
「栄養分配の不均衡」
さらに進む。
構造が明確になる。
上層と下層。
空間が分断されている。
上層には、広い部屋。
食事、休息、娯楽の設備。
人間はゆったりと生活している。
体格は大きい。
明らかに栄養過多。
下層。
狭い空間。
作業場。
人間は痩せている。
動きが一定。
繰り返し作業。
「労働階層、確認」
さらに掘る。
記録装置。
起動。
映像。
上層。
食事。
大量の食料。
余るほどある。
下層。
作業。
同じ動き。
休みが少ない。
別の映像。
家族単位の生活。
上層には複数人の家族構造。
笑っている。
余裕がある。
下層では、単独か小集団。
会話は少ない。
さらに別の映像。
人間が区分されている。
身分のような表示。
識別番号。
「階層化社会」
俺は記録する。
「本時代は、高度に発展した社会構造を持つが、資源と生活環境が階層ごとに極端に分離している」
一拍。
「上層は過剰な資源供給状態、下層は最低限の維持状態」
映像は続く。
人は多い。
だが、均等ではない。
分配が固定されている。
変化は少ない。
構造がそのまま維持されている。
最後の映像。
下層の動きが止まる。
原因は不明。
だが、上層は変わらない。
そのまま終了。
「記録終了」
装置を切る。
俺はまとめる。
「この文明は高度に発展しているが、資源と生活の分配が極端に偏っている」
一度止める。
「上層と下層は同じ文明内でありながら、異なる生活環境に固定されている」
それ以上は書かない。
これは珍しい構造ではない。
発展と同時に、分離が起きる。
それだけだ。
俺は立ち上がる。
足元は安定している。
地層は整っている。
次へ進む。




