土を掘るそして女子高生を探す 5
層番号、A-22。
掘り始めた瞬間から、土の感触が違う。
柔らかい土ではない。
混ざっている。
細かい破片、布、金属、樹脂。
すべてが一緒になって固まっている。
「混合層確認」
音声が淡々と告げる。
俺はスコップを入れる。
軽い。
だが次の瞬間、硬いものに当たる。
缶のようなもの。
壊れた器具。
形のない布。
掘るたびに違うものが出る。
「廃棄物層と判断」
記録する。
さらに掘る。
今度は、まとまった形が出てくる。
箱。
袋。
壊れた家具のようなもの。
どれも使えない。
だが、そこに“積み重なり”がある。
「生活痕跡、確認」
さらに深く掘る。
人の形が出てくる。
だが、整っていない。
周りと同じように、物の中に埋まっている。
区別がない。
人と物の境界が曖昧だ。
俺は作業を続ける。
特別な感情は持たない。
これは記録対象だ。
やがて、記録装置が見つかる。
半分壊れているが、反応はある。
電源を接続する。
映像が出る。
最初に見えるのは、人間。
床に座っている。
その周りには、物が山のようにある。
壊れた物。
使い終わった物。
正体のわからない物。
別の映像。
通路。
だが、地面は見えない。
すべて物で埋まっている。
人はその上を歩いている。
さらに別の映像。
人が何かを拾う。
それを少し直して使う。
そして別の物を捨てる。
「使用と廃棄の繰り返し」
記録する。
映像は続く。
整理されていない。
だが、完全な混乱でもない。
“使えるものだけを拾う”という行動が繰り返されている。
別の映像。
遠くに建物。
しかし崩れている。
新しい建物は少ない。
人は多い。
だが、増えているようには見えない。
「新規生産の低下」
記録する。
最後の映像。
人が減っている。
理由はわからない。
ただ、物だけが残っている。
そこで映像は途切れる。
「記録終了」
装置を切る。
俺は記録をまとめる。
「この時代は、大量の廃棄物の中で生活している文明である」
一度区切る。
「新しい物を作る力は弱く、すでにある物を使い続けることで生活を維持している」
さらに続ける。
「そのため、物は増え続けるが整理されず、生活空間の多くが廃棄物で占められている」
ここで記録を止める。
これ以上の説明は不要だ。
この文明は単純だ。
作る力より、捨てる量が多い。
それだけで、形が変わる。
やがて、維持できなくなる。
それが結果だ。
俺は立ち上がる。
足元は不安定だ。
物が沈んでいく。
次の層へ向かう。
掘る。
また別の時代が出てくる。
だが、やることは同じだ。
見て
記録をする




