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土を掘るそして女子高生を探す   作者: San


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4/8

土を掘るそして女子高生を探す 4

層番号、A-21。


 掘削開始直後、抵抗が変わる。


 


「構造物密度、極めて高」


 


 音声が即座に反応する。


 


 土というより、ほぼ“層状の建材”だ。


 


 断片ではない。

 まとまりがある。


 


 俺はスコップではなく、切削ツールに持ち替えた。


 


 削る。


 


 崩すというより、剥がす。


 


 


 数分後、露出。


 


 平面。


 


 壁。


 


 素材は均一。

 加工精度が高い。


 


 


「建造物外壁、確認」


 


 


 周囲を広げる。


 


 上方向にも、構造が続いている。


 


 


「……高層」


 


 


 地中に埋まってなお、形を保っている。


 


 強度が高い。


 


 


 さらに削る。


 


 


 内部空間。


 


 通路。


 


 狭い。


 


 


「居住構造の可能性」


 


 


 通路の幅は一定。


 


 だが、余裕がない。


 


 


 左右に区切られた空間。


 


 


 一つ一つが、小さい。


 


 


「区画数、多数」


 


 


 俺は、そのまま奥へと掘り進める。


 


 


 同じ構造が、続く。


 


 


 終わりが見えない。


 


 


 


「……繰り返し構造」


 


 


 違いがない。


 


 


 個体差がない。


 


 


 第二章と似ているが、対象が違う。


 


 


 あちらは機械。


 


 こちらは——


 


 


「人間用構造」


 


 


 


 別の反応。


 


 


 有機物。


 


 


 だが、保存状態が悪い。


 


 


 形は崩れている。


 


 


「人類残骸、確認」


 


 


 数は、多い。


 


 


 集中している。


 


 


 狭い空間に。


 


 


 


「……高密度」


 


 


 


 さらに進める。


 


 


 別の部屋。


 


 


 同じ構造。


 


 


 同じ広さ。


 


 


 同じ配置。


 


 


 


 差がない。


 


 


 


 生活の痕跡はある。


 


 


 だが、余白がない。


 


 


 


「記録媒体、確認」


 


 


 壁面に埋め込まれていた。


 


 


 電力供給。


 


 


 起動。


 


 


 


 映像。


 


 


 


 室内。


 


 


 人間がいる。


 


 


 複数。


 


 


 


 距離が近い。


 


 


 異常に近い。


 


 


 


 動きは少ない。


 


 


 座っている。


 


 


 立っている。


 


 


 それだけだ。


 


 


 


 別の映像。


 


 


 通路。


 


 


 人、人、人。


 


 


 隙間がない。


 


 


 


 移動しているが、速度は遅い。


 


 


 詰まっている。


 


 


 


 さらに別の映像。


 


 


 外部。


 


 


 建造物。


 


 


 上へ。


 


 


 さらに上へ。


 


 


 視界の限界まで続く。


 


 


 


「……」


 


 


 空が、ほとんど見えない。


 


 


 


 建物が、埋めている。


 


 


 


「推測記録」


 


 


 


「本時代は、高密度居住を前提とした文明と考えられる。人口増加、または居住領域の制限により、空間効率が極限まで最適化されている」


 


 


 


 映像は続く。


 


 


 


 同じ生活。


 


 


 同じ動き。


 


 


 同じ空間。


 


 


 


 変化がない。


 


 


 


「……」


 


 


 


 ノイズ。


 


 


 


 一瞬だけ、別の映像。


 


 


 


 照明が消える。


 


 


 


 暗闇。


 


 


 


 動きが止まる。


 


 


 


 再点灯しない。


 


 


 


 そのまま、映像終了。


 


 


 


「記録断絶」


 


 


 


 装置を停止。


 


 


 


「追加推測」


 


 


 


「高密度構造により、個体の自由度は低い。環境維持機能への依存度が高く、単一障害による全体停止のリスクが高い」


 


 


 


 一拍。


 


 


 


「……停止後の復旧は困難」


 


 


 


 それで終わり。


 


 


 


 この文明は、完成している。


 


 


 無駄がない。


 


 


 効率的だ。


 


 


 


 だが——余裕がない。


 


 


 


 余裕がない構造は、壊れた時に戻らない。


 


 


 


 それだけの違いだ。


 


 


 


 回収対象を整理する。


 


 


 ランクは高い。


 


 


 


 だが、特別ではない。


 


 


 


 この星では、よくある形だ。


 


 


 


 極限まで詰める。


 


 


 そして、戻れなくなる。


 


 


 


 俺は立ち上がる。


 


 


 


 上を見る。


 


 


 崩れた天井。


 


 


 その向こうに、さらに層がある。


 


 


 


 まだ下がある。


 


 


 


 まだ古い時代がある。


 


 


 


 スコップを持つ。


 


 


 


 また掘る。


 


 


 


 次の層へ。

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