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死神界探訪記  作者: 青田ミドリ Chat Chronoir (C,C)


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2/5

no.1 「始まり、夏」

メインキャラクター情報①


「青田 ミドリ」  人間


年齢 19歳 

誕生日 2月19日

性別 男性

身長 170cm

体重 61kg


性格 優しい。人からのお誘いを断れない。

   しかし、TPOに応じてメリハリがあるタイプ。

  (って言われた)



服が汗で湿っている。

それだけが分かる。

それだけで布団から起き上がるのにいつもより時間を食うのは、ずっと昔からだった。


寝そべりながらカーテンを開けた。

外の光が体を突き抜けて行く、肌の痛みすら感じる。

ここでようやく目蓋が半分ほど開いた。


いまだ寝そべり、呻きながら少しづつ体を動かす。

そのまま立ち上がり、トイレに向かった。

ここは日本。──夏休みだ。




さて、夏休みならもっと寝ていても良いのだが。

今日は大学の友達と遊びに行くのだ。

このために、昨日のネトゲのイベントを諦めた。

(飽きただけです)


朝のルーティーンを終えて準備をして、自宅を出る。

太陽が、そろそろ真上に来る。

セミの鳴き声も、そろそろサビに入るところだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ここから駅までは十分ほどだ。

ふと空を見上げれば、雲一つない晴天が広がっているんだろう?

そういう予想がつくほどに、

最後に雨が降った日を、思い出せないのだ。

夏ってそういうの。


道中、公園の木陰の下のベンチの下に黒猫を見た。

快適そうに寝ていたので、暑くないのかと心配した。

思えば、ここがターニングポイントだったのかも。


古くから、黒猫は不吉の象徴だ。

ま、当時はカワイイ物と思ってますが。

もちろん今もですが。

そんなこんなで駅に着いた。


改札を通り抜けてホームに降りた時に、友達から連絡が来た。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

「今から家出る~」

「りょ」

「( ゜Д゜)ハァ?」

         「いま駅」

ーーーーーーーーーーーーーーーー


友達はいつもこうだ。

時間にルーズなくせに遊びの約束だけは取り付けてくるやつ。

連絡は相槌だけだがリアルでめっちゃ喋るやつ。

ネットスラングにやたら詳しいやつ。


大学というのはサブカルの温床だ。

綺麗まっさらな奴がどこを探してもいない。

自分も彼らに毒され、そういった言葉を覚えた。


ちなみに、僕の高校の友達はいない。

そのことを気にしていたら、やけに涼しい風が体の横を通り過ぎていったのを感じた。

少し背筋が冷たくなった。………蝉もまだ鳴いている。


駅のホームにたどり着いた急行電車に乗り込み、反対側のドアの前に進んだ。

僕は、席が空いているときも決まってこの位置に行く事にしている。


電車に揺られながら扉に向き直り、外を見ると、過ぎ去っていく景色が視界に入り、そして横に流れていく。


ふと指を窓に沿わせ、思い切りスワイプする。

するとまるで、自分の力で風景が動いているように見える。

この事を友達に話したら、生暖かい目で見られたのを思い出した。


今でも子供っぽいとよく言われるが、子供っぽくて何がいけないのだろうか?

脳の中にたびたび出るニュースを一人議論しながら、窓に指をスワイプさせていく。


結果、二駅過ぎたところで議論は纏ったようだ。

窓には、一直線の跡が出来ている。

それからは、窓の外をずっと眺めていた。


「次は〜畔崎坂〜畔崎坂〜」


目的地の駅まで後一駅。

この先にはいつも土手の急カーブがあるので、少し体を扉に寄せ、体重をかけた。


この時気付いたが、結構な人数が電車に乗っている。

そしてカーブに入った時に、一斉によろめくのだ。


畔崎坂駅の近くは、かなり都会。

しかし窓の外に少し大きめの藪がある。

そこが見えてきたら、カーブが来る。




次に起こった出来事は電車内のよろめきでは無く、

電(・)車(・)自(・)体(・)が(・)よろめいた。

人々の体では無く、電車そのものが左右に揺られたのだ。

詳しい事は、次の記事をご覧頂きたい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

BSP


関東和台線で脱線事故


先日、午前十時頃に関東和台線丸山城行きの急行電車が

大規模な脱線事故を起こした。

電車はバランスを崩し、左右に揺られるようにして市街地へ落下。

付近の住宅20棟が電車の下敷きになった。


現時点での死者は82名、行方不明者が21名となっている。

原因は老朽化していた線路と、その時間帯の風に煽られた事だと考えられる。

なお、地元警察は置き石等の第三者による犯行を疑い、現在調査している。

(一部抜粋)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


つまり僕、青田ミドリは非常に運が悪かった。

友達との集合場所に行くときに、前述した事故が起こる電車に乗ってしまったのだ。


車内は、思ったより増えていた乗客が波のようにバランスを崩していた。

僕は、ドアに押し付けられる形で乗客の波に押された。

すると、建付けが悪かったのか、たまたま誰かが作動させてしまったのか。

寄りかかっていたドアが少し開いた。


その隙間から僕は身を乗り出してしまい、乗客に押される形で外に飛ばされた。


土手を転げ落ちていく、痛い。

しかし、止まることができないので電車のほうを見た。

電車は、そこに無かった。

前述の記事から分かる通り、反対側にある住宅街に落下したらしい。


とにかく僕は、命だけは助かったということだ。


土手から転げ終わって、起き上がろうとするが、うまく起き上がれない。

全身に痛みが回っている、少し土手にも砂利が混ざっていた。

かろうじてポケットからスマホを取り出したが、本体は折れてしまって、液晶も割れてしまった。


痛い。

痛みのために、息が荒くなる。

吸っては吐いて、吸っては吐いてを繰り返したら、少し冷静になった。


…ここはどこだろう、何処に僕は転げ落ちたのだろう?


いまだに起き上がれない体を動かして、周りを見た。

生い茂る草、それとなく立っている木。どうやらここは、あの藪の中らしい。


ようやく上半身だけ立ち上がると、体を涼しい風が吹き抜けた。

ざわざわと草が木が、その風に呼応して音を出している。

その音が、ますます僕を正気にさせる。





蝉の声は、なぜかもう聞こえなかった。


個人的見解

※興味のない方は、読み飛ばしていただいて構いません。


冒頭、寝そべりながらカーテンを開けている。

この後に分かる情報で大学生だと分かるので、おそらく住んでいるのはアパートだろう。

季節は夏だ。

「朝日が真上に来ている」ここから、ミドリは、朝が弱いのか準備が長いのかのどっちかだと思われる。


駅のホームに着いた後に、スマホの画面の描写が出た。

会話の内容や書き方からして、ミドリを含めて四人ほどが会話に参加している。


「高校の友達は」という部分から、同じ大学に籍はおいているものの接点が無くなった物と考えられる。

その後の描写は、おそらく子供っぽさや無邪気さを彼なりに書いたのだろう。





「畦崎坂」この駅名はこの世に存在しない。


考察 C.C

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