# 第三話 勇者ファンクラブ爆誕!
# 第三話 勇者ファンクラブ爆誕!
「勇者様は世界一です!」
翌朝。
宿屋の前でミアが大声を上げていた。
「勇者様は優しくて!」
「強くて!」
「可愛くて!」
「最高なんですー!!」
街中に響き渡る声。
リリアは頭を抱えた。
「やめてぇぇぇ!!」
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しかし。
時すでに遅し。
人々が集まり始める。
「勇者様だ!」
「昨日オーガを倒したって本当か!?」
「サインください!」
「握手を!」
「写真を!」
※この世界に写真はない。
「最後の人、何言ってるの!?」
リリアはパニックだった。
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ミアは得意げに胸を張る。
「これで勇者様の人気も急上昇です!」
「別に人気者になりたいわけじゃないの!」
「ええっ!?」
ミアは本気で驚いた。
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その頃。
護衛隊の四人は深刻な顔をしていた。
ガルドが言う。
「問題だ」
「問題ですね」
レオンも頷く。
「勇者様に近付く人間が増える」
バルトも腕を組む。
「危険だ」
シグも真顔だった。
「危険」
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結果。
リリアの周囲に半径五メートルの警戒線が作られた。
「なんで!?」
「勇者様を守るためです」
「私、動物園のパンダじゃないんだけど!?」
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そんな騒ぎの最中。
一人の少年が現れた。
年齢は十五歳ほど。
ボロボロの服。
細い体。
しかし真っ直ぐな瞳をしていた。
「勇者様」
リリアを見る。
「助けてください」
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空気が変わった。
少年は震えていた。
「村が魔物に襲われています」
笑顔が消える。
リリアは真剣な顔になった。
「場所は?」
「北の森です」
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護衛隊は即座に出発した。
ミアも付いてくる。
数時間後。
彼らは村へ到着した。
そこには――
焼けた家々。
壊された畑。
泣いている村人たち。
そして。
巨大な魔物。
黒い毛皮。
赤い目。
鋭い牙。
狼人型の魔物だった。
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「グルルルル……」
村人たちは震える。
「あれは……」
少年が呟く。
「魔狼王」
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ガルドが剣を抜こうとした。
しかし。
その瞬間。
空から笑い声が響く。
「ククク」
全員が空を見上げた。
黒い鎧。
巨大な翼。
圧倒的な威圧感。
魔王軍四天王。
ゼルグだった。
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「ようやく会えたな」
リリアを見下ろす。
「勇者リリア」
村人たちが青ざめる。
護衛隊も警戒態勢に入る。
しかし。
ゼルグは笑った。
「安心しろ」
「今日は戦いに来たわけではない」
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「俺は見に来たんだ」
ゼルグの赤い瞳が光る。
「勇者の力をな」
リリアの胸がドキリとする。
勇者の証。
前回見せた不思議な力。
ゼルグは知っている。
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「次に会う時は」
ゼルグが不気味に笑う。
「お前の秘密を暴いてやる」
黒い霧が広がる。
そして姿が消えた。
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静寂。
誰も動けなかった。
ミアが呟く。
「今の……」
「四天王だ」
ガルドの表情は険しい。
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リリアは胸を押さえた。
なぜだろう。
嫌な予感がした。
自分の知らない何かが。
確実に動き始めている気がした。
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その夜。
誰も知らない場所で。
ゼルグは跪いていた。
目の前にいるのは――
魔王。
「確認しました」
ゼルグが言う。
「間違いありません」
魔王は静かに目を閉じる。
「そうか」
そして。
小さく呟いた。
「やはり彼女が――」
その続きを聞く者はいなかった。
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## 次回予告
**第四話 「勇者の秘密」**
勇者の証に隠された力とは!?
そして魔王だけが知る、リリア出生の秘密が少しずつ明らかになる!
さらにミアが護衛隊に弟子入り志願!?
波乱の旅は続く!




