リリス 十五歳
カイとディルク、リヒトの四人で月に一度遊んだり、お茶会で仲良くなったソニアとスカーレットと遊んだりしているうちに月日は流れ、私はとうとう学園に入学する年、十五歳となった。
私もディルクもすくすくと成長し、ゲームの中と同じ姿となった。
ゲームの中だと分かってはいたけれど、目の当たりにすると実感する。
来月にはもう、ゲームの舞台となる魔法学園に入学する。
入学式も緊張するけれどその前にビックイベントがある。
それは、明日行われるカイン王太子殿下の誕生日パーティ。
今まではカイン王子が幼かったためあまり盛大に行われていなかったが、今年から王子も学園に入学する、それについこの間王子が立太子しため盛大に行うそうなのだ。
実を言うと殿下に会うのは今回のパーティが初めてとなる。
陛下と約束はしたものの殿下も私も忙しくて結局なーなーになってしまったのだ。
まぁ、良かったとは思っているけれど、まだ婚約者候補から外すことに成功していない。
早く何とかしなければ、来月にはゲームが始まってしまう。
だから今回のパーティで殿下に嫌われるぞ作戦を実行し、候補から外して貰うのだ。
でも気がかりな点が一つ。
前遠目から見ただけ惑わされそうになったのに、近くに行って大丈夫なのだろうか。
……いや、自分を信じろ私!挨拶をするだけだ。目を合わせない様にすれば殿下に嫌われるぞ作戦もでき、私の身の安全も確保される。一石二鳥とはこのことだ。
私は明日のパーティに向け決意を固めてベットに入った。
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そして翌日。
陛下との謁見の時の様に私はメイド達に朝早く叩き起こされた。
いつもより念入りにメイクや髪の毛を結われた。
「お綺麗です、お嬢様」
「天使いや、女神様」
「ありがとう」
メイド達は何故か私の姿に卒倒し私は、お礼を言いながら苦笑いした。
今日のドレスは白を基調としたもので、前の部分が少し短くなっていて後ろと横が長くなっているものだ。胸元や裾に金色の刺繍もされていて、とても綺麗だった。
髪は編み込まれてアップにされ、髪飾りやイヤリングもドレスの刺繍に合わせて金色のものがつけられた。
私は支度が終わったので、部屋の外で待っているリヒトのもとへ向かった。
「遅くなっちゃってごめんね、リヒト」
「いや、全然い…」
リヒトは振り向いたが、私の姿を見て固まった。
そして、手で口元を隠した。
「…すっごく綺麗だよ」
素直にそう言われたので、照れてしまう。
「あ…ありがとう」
リヒトは今日パーティには参加しないが私の護衛として一緒に行く。
だから今日はいつもと違って騎士の正装だ。
騎士の正装は、黒を基調としていて左肩に赤いマントがついている。
私やディルクが成長するとリヒトもすぐに大きくなって、同じくらいだった身長は今ではリヒトの方がよっぽど高くなっている。
私達は馬車に乗り込み、会場に着くまでずっと話していた。
会場につき、門番に名前を伝えホールの扉を開けて貰った。
扉が開くと中はとてもキラキラとしていて、中に入るとその場にいた全員がこちらを振り返った。
「…すごく綺麗な方」
「…天使だ」
私は何かコソコソと言われているのには気づいたが、何を話しているのか分からなかった。
私はそのまま堂々とホールの奥へ行き、玉座に座っている陛下とソフィア様に挨拶をした。
「お久しぶりです。陛下、ソフィア様」
「久しぶりだな。あの約束を果たす事が出来ずすまなかった。今日会うことになるだろうから、ゆっくりあいつと話してくれ」
「はい」
ゆっくり話す事なんて無いだろうが、一応返事をしその場を離れた。
そして殿下にさっさと挨拶をしてしまおうと思い、殿下を探すとご令嬢達が列をなして自分をアピールしていた。
遠目からだったので顔は見えなかった。
いくら私が悪役令嬢だとしても横入りするのは気が引けるし、人としてやってはいけないことだろう。
そう思って列の最後尾に並ぶと、私に気付いた令嬢達が次々に私に順番を譲った。
え、そんなに譲られたら、先頭に来ちゃうよ。
私の想像通り私はいつの間にか列の先頭になっていた。
目の前をゆっくりみるとそこにはカイン王太子殿下が!!
あ…もうダメかも。鼻血でそう…。




