第4話 俺様のゴブリン退治(2)
次の日の朝、臭い人が呼ぶ声で、コタツから顔を出した。うーんと背伸びして、顔を洗う。
朝ごはんは、カリカリの気分だな。カリカリでてこーい。
どさっと、猫用ドライフード(チキンと野菜味) が落ちてきた。
「うわ、なんだこれ? 変な袋だな。これも食い物か?」
俺様は袋を軽く引っ掻いて、臭い人に「にゃあ」と鳴く。
「わかったわかった、開けてやる」
臭い人は、袋を小さい包丁で切ると、中身を覗き込む。
「なんだこりゃ? 食うのか? ちょっとまってろ」
大きめの木の葉を地面に置くと、その上にバラバラっと出してくれた。
朝ごはんを食べたら出発だ。
また今日も俺様が気配を探って臭い人がゴブリンを倒すのを繰り返した。
次のゴブリンを探していると、俺様のヒゲがピクピクと震えた。ちょっと強い気配がするから 「ふぅぅぅ」と小声で警戒する。
臭い人は、俺様を見たあと、姿勢を低くして慎重に進んでいく。
何か来る! 俺様は、荷物から飛び降りて「シャ〜〜ッ」っと威嚇姿勢を取る。
茂った木々の向こうから、ゴブリンが3匹飛び出して来くる。後ろにもう一匹居る。
「ゴブリンリーダーが居やがった! みーちゃん下がれ!!!」
臭い人が2匹を切り捨てた。しかし一匹が俺様に向かってきた。
今まで臭い人が簡単に倒すのを見ていたからか、俺様はちょっと気が大きくなっていたみたいだ。
襲ってきたゴブリンの棍棒をすり抜けて飛びついていった。
前足で目の辺りを引っ掻いて後ろ足で蹴って飛び上がる。倒れたゴブリンの上に着地して喉元にかぶりつく。
他のゴブリンを倒した臭い人が来た頃にはゴブリンは動かなくなっていた。
「やったな、魔物を倒したら一人前のハンターだ」
またどこかで「チャリーン」と音がした。
日が暮れる頃、俺様たちはハンターギルドに戻ってきた。茶色の女の人と赤毛の女の子が入り口で心配そうに待っていた。
「みーちゃん、大丈夫だった?? ガイルさん、みーちゃんに危ないことさせなかったでしょうね?!」
茶色の女の人は、俺様を抱き上げて体中を調べている。
「怪我はなさそうね。だいぶ汚れているから後で洗ってあげるわね」
俺様はあわてて腕の中から飛び出すと臭い人の背中に乗った。
「みーちゃんは嫌がってるみたいだぜ? ガハハハ」
受付で討伐依頼の完了手続きをする。今回の二日間の遠征で報酬は金貨1枚。
二人で山分けして、俺様には赤金貨5枚だ。
目の前に、赤っぽい金属が5枚置かれた。くんくんくん、食べられそうにありませんけど? と茶色の女の人を見みた。
「みーちゃん、これをお店の人に渡すと食べ物が買えるのよ。口座に入金しておくわね」
ちなみに、俺様の口座には、銀貨1枚が入っているらしい。
ヌコ探し 黒銅貨5枚、いたずらヌコ駆除 黒銅貨5枚、合計で銀貨1枚だと。
あと、ネズミ駆除年間契約を完遂すると赤金貨2枚が入る予定。
今回のゴブリン討伐で、赤金貨5枚が追加される。
「ところでよ・・・」
臭い人が、茶色の女の人に顔を寄せて内緒話を始めた。茶色の女の人は、ちょっと嫌そうに顔を離した。
「こいつゴブリンを一匹倒しやがった。ステータスを確認できねえか? 内密でよ」
「ヌコがゴブリンを?!」
茶色の女の人が驚いている。どうだ俺様ってちょっと強いんだぜ? 胸を張って得意顔をしてみる。
「たしかに気になりますが・・・ でも他人のステータスを探るのはハンター仁義としてはどうなんですか?」
「それは・・・まあなんだ。あんたは、みーちゃんの保護者みたいなもんだろ?」
「まあ、ヌコですし。例外だらけですしねえ。じゃあ、みーちゃん、ステータス見てもいいかしら?」
うん? あの変な画面のこと? 別に見たらいいなじゃいの?
茶色の女の人が、プレートに触れた。ふわんと光って、あの画面が出てきた。
----
名前:みーちゃん
種族:ハイ・キャット
職業:イエネコ
LV:7
HP:13
MP:17
スキル:コタツ(65x65) 無限収納 言語理解 ねこパンチ ねこキック カジカジ攻撃
状態:女神アリシアの加護
「レベルが上がってますね。Lv7 HP13 MP17です。スキルも増えてますね。”ねこパンチ” “ねこキック” “カジカジ攻撃” ガイルさん、こんなスキル知ってます?」
「いや、聞いたこともねえ。戦い方からすると、格闘系のスキルだと思うがな」
「みーちゃんに格闘させたんですか!? 危ないことさせないで下さい!」
茶色の女の人が臭い人を書類でパシとひっぱたいた。
俺様も画面を覗く。この「女神アリシアの加護」てのは茶色の女の人には見えてないのかな? シルバーランクってなんだ?
---- Copyright (C) 2019 by Wanco @nyanco_syosetu ----
□アルファポリスでも掲載中 (アルファポリスが少し先行しています)






