第15話:異世界の宿場町と、贅沢な彼女の食べ歩き
いつも読んでくださりありがとうございます
この物語も、今回で15話になりました。
この物語は、
車に乗っていて、カーナビに家族が文句を言ってる姿を見て、『もしも、カーナビがわかりましたあなたを殺しに行きます』と言い出したら、どうなると思う?』と素朴な疑問を問いかけたら、
『そんなもの、勝てるわけはない(笑)相手が悪すぎる(笑)衛星込みの宇宙戦争になる(笑)』と。家族が
…、。
もしもファンタジーでこういう物語が書けたら…そんな思いから、出来たこの物語。
Ai直接使用で、書いてもらったものですが、
この世界の片隅でもし、暇潰しで読んでもらえたら…と思います。
行間を変えて、物語はそのまま投稿しています。
ごめんなさい。
文才のない私には書けませんが、読者の私と一緒に少しの時間ファンタジーの世界へいってもらえたら嬉しいです。
第15話:異世界の宿場町と、贅沢な彼女の食べ歩き
ナビ王都を脱出し、魔王軍の指名手配から逃れるようにして荒野の街道を走り続けること数時間。
俺――佐藤拓海と、人間の姿になった愛車のエマは、旅人や冒険者が集う活気あふれる宿場町『オアシス・ルンド』へとたどり着いていた。
「拓海、前方に広域のデータ集積地(宿場町)を確認。私のマップ機能によると、ここにはこの地方特有の高純度なエネルギー源……つまり、美味しいご当地グルメがたくさん集まっているみたいです!」
助手席のエマが、ピンクのドレスの裾を揺らしながら、エメラルドグリーンの瞳をきらきらと輝かせている。
「エマ、お前さっきから『エネルギー源』って言いながら、完全に目が食いしん坊の女の子になってるぞ」
「し、失礼なことを言わないでください! 実体化している今の私は、定期的に糖分を外部から補給しないと、すぐに処理速度が落ちてしまう仕様なんです! ほら、早速私の超高性能センサーが、右前方からとてつもなく甘いログを感知しました。右折です拓海、右折!」
エマのわがまま(ナビ)に従ってコンパクトカーを広場の駐車場に停め、俺たちは賑やかな出店が並ぶ通りへと歩き出した。
王都を救った『精霊聖女』の噂はまだここまで届いていないらしく、エマの絶世の美少女ぶりに周囲の冒険者たちが「おいおい、どこのお姫様だ……?」と色めき立っている。
だが、当の本人は周囲の視線などどこ吹く風で、一つの屋台の前に突撃していた。
「拓海! これです! 『黄金ハニーのたっぷり焼きリンゴ』! これを私のシステムに注入すれば、次のセクターへの最適ルートが一瞬で算出されます!」
エマは屋台から漂う、とろけるような甘い蜂蜜とシナモンの香りに、完全に理性をハッキングされていた。
「はいはい、分かったよ。王様からもらった金貨の袋があるからな。店主、これ二つ頂戴」
「あいよ! 毎度あり!」
拓海が差し出した金貨を受け取った店主が、焼き立ての熱々なリンゴを紙に包んで渡してくれる。
エマは嬉しそうにそれを受け取ると、小さなお口を「あーん」と開けて、思い切りハムりと噛みついた。
「んんっ……! ふゃあ……! すごいです拓海、口の中で蜂蜜のデータが爆発しています! 美味しすぎて私のメインCPUがとろけちゃいそうですぅ!」
エマは幸せそうに頬を押さえ、自分の体(シートベルトをしていた時とは違う自由な体)で食べる異世界の味に、完全に大満足のハートマークを周囲に振りまいている。
「そんなに喜んでくれたなら、五万円のストロベリーオイルより安上がりで助かるよ」
「それはそれ、これはこれです! ほら、次は左前方です! 『火炎トカゲの激辛串焼き』! 辛口のデータを注入して、私のツンデレの『ツン』の部分を強化します!」
「これ以上ツンを強化されても困るんだけど!?」
結局、エマの食いしん坊ナビ(おねだり)に引きずり回され、拓海は焼きリンゴ、激辛串焼き、さらには『虹色わたあめ』まで買い与える羽目になった。両手に食べかけの串を持ったエマは、まるで初めてお祭りに連れてきてもらった子供のように、無邪気な笑顔を見せている。
「ふぅ……。お腹いっぱい、じゃなくて、エネルギー充填率一二〇%です。拓海、今回は私のわがままに付き合ってくれたので、特別に、その……ご褒美ログを送信してあげます」
エマは少し恥ずかしそうにうつむくと、激辛串焼きの一本を、拓海の口元へと差し出してきた。
「はい、あーん、です。……た、拓海が私の手を引いて歩いてくれて、ちょっとだけ……その、楽しかったお礼です。べ、別に他意はありませんからね! は、早く食べないとログを消去(自分で食べる)しちゃいますよ!」
顔を真っ赤にしてフイッとそっぽを向くエマ。
だが、その差し出された手は微かに震えていた。
「あ、ありがとう、エマ。じゃあ、いただきます……」
拓海がパクリと串焼きを口に含む。強烈な辛さと、それを上回る肉の旨味が広がり、それ以上に、すぐ隣にいるエマのいちごのような甘い香りが鼻腔をくすぐって、心臓が爆発しそうだった。
二人がそんな甘酸っぱい雰囲気に包まれていた、その時だった。
「おい、そこの布の服を着た小僧。……そして、その隣にいる極上の女」
通りの奥から、獰猛な笑みを浮かべた数人の男たちが歩いてきた。
腰には魔獣の骨で作られた不気味な剣を帯びており、その手には、一枚の手配書が握られていた。
「ビンゴだナ。魔王様からお触れの回った、例の『最優先指名手配』の二人組だ。首を持っていけば国家一つ分の賞金……だが、その前にその女、なかなかの別嬪じゃねえか。ちょっと俺たちの夜のナビゲーションをしてもらおうか?」
下品な笑い声を上げる賞金稼ぎたち。
その言葉を聞いた瞬間、拓海の目の色が変わった。
会社でどれだけ理不尽に怒鳴られても、営業スマイルで耐え忍んできた拓海だったが、自分の大切なナビゲーター(エマ)を侮辱されることだけは、絶対に我慢がならなかった。
「……おい、お前ら。その汚い手で、俺のエマに触ろうとするな」
拓海はエマを一歩後ろに下がらせ、男たちの前に毅然と立ちはだかった。
「はっ? なんだその目は。ただの布の服を着た一般人のくせに――」
「拓海、下がってください! 私のストロベリーバンパー(魔力)なら、こいつらごと広場を吹き飛ばせます!」
後ろからエマが心配そうに叫ぶが、拓海は振り返らずに、ポケットから愛車の『スマートキー』を取り出した。
「いや、エマ。お前はさっきの美味しいデータを処理しててくれ。……ここは、俺たちの相棒の出番だ」
拓海がスマートキーの解錠ボタンを親指で強く押し込む。
――ピッピピッ!!!
宿場町の駐車場から、凄まじい駆動音が響き渡り、ヘッドライトの眩い聖なる光が、夕闇の通りを真っ昼間のように照らし出した。
エマの魔力と同期したコンパクトカーが、無人のまま、タイヤを激しく空回りさせながら自動運転でこの広場へと爆走してきているのだ。
「な、何だあの鉄の魔獣はぁぁぁっ!?」
賞金稼ぎたちが驚愕して振り返ったその瞬間、時速百キロを超える俺たちの愛車が、男たちの背後から猛烈な勢いで迫っていた。
魔王軍の賞金稼ぎに包囲された宿場町で、拓海とエマ、そして自律暴走(自動運転)を始めた愛車による、前代未聞の『広場占拠カーチェイス』が幕を開けようとしていた――。
(第15話・終わり)




