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第二話 ぬりかべくんは顔を出さない


季節は、冬になっていた。


人の少ない公園。

吐く息が白い。


ぬりかべの体は、冷えていた。

それが当たり前だった。



「ママー!やる!」


小さな童が、穴に顔を入れる。

少しだけ、震えている。



「つめた……」



そう言いかけて――



「……あったかい」



ぬりかべは、わずかに止まった。



「これ、あったかいよ!」

「ほんとだ、日当たってるからかな」



冬の光が、壁の表面を温めていた。



「あったかいー!」



童は、笑った。



ぬりかべは、何も言わなかった。



ただ――

その言葉だけが、残った。



「あったかい」



通すつもりはなかった。

止めるつもりも、まだある。



だが。



「……悪くない」



小さく、そうつぶやいた。



隣で、がしゃどくろが言った。



「良い顔してるな。一枚撮ろうか?」



「……顔は出せん」



冬の光は、静かに当たり続けていた。

「思ってたのと違う形で人気が出ること、ありますよね。」

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