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赤い髪のリリス 戦いの風〜世継ぎの王子なのに赤い髪のせいで捨てられたけど、 魔導師になって仲間増やして巫子になって火の神殿再興します〜  作者: LLX
51、創世を知るドラゴン

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598、屯所の村での歓待

リリスは結局、イヤと駄々をこねる日の神に頼み込み、ケガ人の治療に専念した。

命が危うかった2人は持ち直し、リリスが寝ていた馬車に休んで貰うことにする。

寝ていた間のことを簡潔に説明して貰い、狭間でのんびりしている間に大変なことになっていたと申し訳なく思って頭を下げた。


「頭を上げて下さい、赤様。とにかくあなた様がご無事で良かった。」


「しかし、ケイルフリントに来て貰って助かった。

俺達もあのままだったら、守り切れたかどうか…… 」


リリスがうなずいて、仲間と話しをしているアウロラの元へ歩き出す。

一体何日寝ていたのか、足下がふらふらで酔いそうだ。

グレンが抱きかかえてくれて、少しホッとした。


女性とは言え、筋肉質のアウロラのしっかりした背中に、ツバを飲み、大きく深呼吸して張りのある声で声をかけた。


「アウロラ様! 」


腹の底に気を入れてないと、起き抜けでへなへなになりそうだ。

グレンの手から下りることはやめておいた。


「おお、巫子殿、ご無事で何より。

このたびは、我がケイルフリントで、蛮族の刈り残しに襲われるなどあってはならないこと。

どうかお許し願いたい。」


アウロラと、横の副官がそろって頭を下げてきた。


「い、いえ、とんでもない。」


礼を尽くす態度にちょっとビックリして、グレンから下りてお辞儀しようと思ったけど、グレンが下ろしてくれない。

彼女が笑って手で遮った。


「どうぞ、そのままで。

出来れば体調がよくなられるまで我が国でお休みいただきたかったが、自国の方が落ち着かれましょう。

世継ぎのディファルト王子がフレデリク様が大変な世話になったと、礼を尽くすよう仰せつかっております。

お困りの状況に、手助けせねば末代までの恥。

どうぞ、我らが道案内の任に就くことをお許し下さい。」


「そのような、出来ることをしたまでのこと。

どうぞ、お気になさらず。

またお手をお借りしたいときにこそ、どうぞ頼らせて頂きたく存じます。

まずは、道がわからない事が問題らしいので、どうか道案内をよろしゅうお願いします。」


「では、我らフェルグ隊、国境までご案内いたします。

どうぞ、馬車でお休み下さい。」


横から国境隊の隊長が、一礼してきた。


「我らは国境を守る者でございます。

このまま進むと森の中で日が落ちます。

いっとき歩いた場所に関の中心にある屯所のある村がございますので、そちらにご案内いたしましょう。

今日のところは村でお休みになられて、明日の朝発たれた方が安全かと。」


リリスがどうしたら良いかと振り返ると、ガーラントとブルースが顔を合わせうなずく。

レナント隊の隊長がホッとしたように声を上げた。


「では、世話になりましょう。

皆にも伝えます。みんなホッとすると思いますぜ。」


「では、よろしく頼む。」


と、皆少しホッとしながらその村へと歩き出した。





村は、屯所を世話する農民と、家族で移り住んだ兵と、元々ここに住んでいた者が森を開墾してひっそりと肩寄せ合っているような、こぢんまりとした村だった。

元々貧しい村だったということだが、屯所が置かれて国から金が入るようになり、それがとても助かっている様子だ。


村人は誰もが兵に友好的で、リリスたち一行が訪れると屯所の空き部屋を急いで掃除して、皆が横になれるようにしてくれた。

ただケイルフリントは食料の不作が続き苦しい様子だったので、食料は持参の物で調理して、食事を取ることにした。

リリスも彼らと一緒に食事をするつもりだったが、特に村長に乞われて神官、ガーラントたち側近4人で村長の家ヘ行き、馳走になることになった。


「珍しい物はありませんが。巫子様、どうぞお召し上がり下さい。どうぞお付きの方も。」


オキビはドアに立ち、グレンはリリスの背後に立って食事を断った。

これがいつもの彼らのやり方だ。

彼らは先に、他の皆と交代で食事を取ってきたらしい。

リリスは少し休んでいたので、出遅れた所で食事にお誘いが来た。


「巫子様のお口に合うかわかりませんが、随分お疲れとお聞きしましたので、精の付く物をご用意させて頂きました。」


「これはお気遣いありがとうございます。」


食糧事情がお悪いと聞いたのに、無理をさせてしまった。

お腹は減っているけど、頭が鉛のように重くてボンヤリする。

すると、目の前に大皿が運ばれてきた。


「ケイルフリントの名物料理、テグーのクリシュプと申します。」


紹介され、リリスが愕然とした。

見た事もない緑色のスープに浸かった、拳の大きさもあるかたまり肉と香りが強い何かの葉っぱがもっさりと積まれた煮物だったからだ。



は……    ?


テ、テグー  って、何?


く、クリシュプって?


この葉っぱは一体何の葉っぱ?


リリスがケイルフリントの名物料理など紹介されて、何かの肉と見た事もないハーブの煮物に手が止まる。 


なんでしょうか?

何か強烈な香りの緑色のスープに何かの実が浮かんで、しなしなの葉っぱと正体不明の肉が入ってるんですが。

かいだことのない香りがします。

こう言うハーブ使うときの肉は、すっごく臭いのです。

だいたい生肉を焼いた物が珍しい。

珍しいがいっぱいで、これほどのごちそうを食べられなかったらどうしようと思う。


はわわわわ、みんなどうしてるんでしょう?

横目でチラリと見る。


ガーラントは、普通に食べ始めた。

ブルースも、神妙な顔でナイフで切ると口に運ぶ。


リリスがじいっと見ているのに気がついて、ブルースがニッと笑った。


「巫子様、肉は噛みつきませんぜ? キシシ…… 」


それはそうですけどぉ


迷っていると、後ろに立つグレンが耳打ちしてきた。


「毒味は済んでおります」


村長にニッコリして、グレンにヒソヒソささやく。


「実は、テグーと言う動物が何か知らないのです。

食べられましょうか? 」


グレンが身を起こし、一考する。

村長が、少し焦って何か?とささやいた。


「あの走り回るデグーを捕まえるのは、たいそう難しゅうございましょうと、巫子様が気にしておいでです。」


カマかけて適当に言ってみたグレンの言葉に、皆が村長の反応を見る。

とんでもない動物だったら、誰だって怖い。

ああ!と、村長がニッコリした。

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