報告書② 切手の受払簿
市の郵便は、課ごとに預かった切手を貼って出す。
使った日と、枚数と、額を受払簿に書き、月末に残高と突き合わせる。
本年の、その月。
この課が使ったのは、二百二十円ぶんだった。
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私は、██市の会計の係で、切手の受払を預かっております。
その月に、この課が使ったのは二百二十円です。
一枚百十円ですから、二枚です。
差出簿には、その月、一通しか書かれておりません。
こういう差は、たまに出ます。
重さで一段上の額になったとか、書き損じて貼り替えたとか。
ですが百十円がちょうど二枚ぶんとなりますと、貼り替えでは出ません。
額が二倍になるのは、枚数が二つのときだけです。
私は月末に突き合わせて、判を押しております。
押したときには、気づいておりません。
二枚、使われております。
書いてあるのが、一通です。
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足し算である。
百十が二つで、二百二十になる。
誰にでも検算できるし、実際、当課でも同じ数になった。
受払簿には、出した日ごとに枚数が書いてある。
差出簿にある日と、その二日あとに、一枚ずつ。
二日あとの側には、枚数一、額百十円とだけある。
受払簿は日と枚数と額だけの帳面で、宛先も、書いた者の名も残らない。
検算できるのに、差出簿の側は動かない。
書いてあるものを直すことはできても、書いていないものを、後から他人の名で書くことはできないからである。
二枚目は、差出簿の外側で使われている。
差出簿の外で出た郵便は、市の記録の上では、出ていないことになる。
出ていない郵便に、百十円が使われている。
――三つ目は、その郵便そのものである。




