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特異事象調査記録  作者: モリタ・ハク
事案〇一四 転入の予定

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報告書③ 番号簿

 三通目は、相談票の番号を管理している簿冊の写しである。

 票を作るときに番号を取り、簿冊に順に書き入れる。


 番号は年度ごとに一からとる。


――――――――――――――――


 第五百十九号 (完結済み・年限到来・廃棄済み)


 第五百二十号 欠番


 第五百二十一号 (完結済み・年限到来・廃棄済み)


 欠番の処理は、番号を発行したのちに票が作られなかった場合に行う。

 処理者の記名あり。


――――――――――――――――


 当該の票の番号は、第五百二十号である。


 簿冊の上では、その票は作られていない。


 前後の番号は正しく並んでいる。

 第五百十九号は十三年前の十月の上旬、第五百二十一号は同じ月の中旬に作られ、どちらも翌年のうちに完結して、年限が来たので既に廃棄されている。


 抜けているのは、この一つだけである。


 番号簿は差し替えのきかない綴じ簿冊で、一行ずつ順に書き入れる。

 欠番の行だけを後から挿し込むことはできない。


 欠番の処理をした者は、当時の相談室の係長で、既に退職している。

 所在を確認し、話を聞いた。


 覚えていない、とは述べなかった。

 欠番にしたのは票が作られなかったからだ、と述べた。


 作られていれば番号は生きるし、作られなければ欠番にする。

 それ以外の扱いは無い、とも述べた。


 当該の票を見せると、番号のところをしばらく見て、それから、これは自分が欠番にした番号だ、と述べた。


 二つとも本当なら、票は、番号を欠番にしたあとに作られたことになる。


 一度欠番にした番号は、以後どの票にも使えない。


 使えない番号が、票に書いてある。


 ――四通目は、相談者との面会の記録である。

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